第二章 大学入学と闘病生活継続
②第一節 相談できる友達
高校卒業から、二週間が経った。
私は、Instagramで仲良くなった子とほぼ毎日メッセージのやり取りをしていた。
相手は、
大学が同じ、
ひとつ目は、体調のことだ。
「話しておいた方がいいかもな」という私の考えもあり、今の精神状態や体調のことを全て話した。
最初は「大丈夫か…。」と聞いてきた。
しかし、その後は「そっか……。わかった!無理は絶対するな!」と、明るい感じの返信がきた。
それ以上、
ただ、
「絶対に無理はするな。」
聞いてこなくても、心配はしてくれている。
私から話が出るまでは、何も聞かない。
そういう子なんだと、私は受け止めた。
ふたつ目は、遊びの約束だ。
今度ある大学のオリエンテーション終了後に
私は海遊館へ行くのが小学四年生のときにあった遠足以来だということもあり、少し子供気分になり、楽しみで仕方なかった。
半分…、いや半分以上、私の
それでも、私は二人と一緒に遊びに行くことが嬉しかった。
四月二日、入学式前日。
学内オリエンテーションがあった。
大学の施設などを案内してくれたが、正直私は後のイベントが楽しみで、それどころではなかった。
オリエンテーション終了後、二人と合流するために正門へと足を運んだ。
「………。なんだろう、このモヤモヤは。」
変な違和感を持ちながら、二人と合流し、海遊館へ向かった。
海遊館に着き、チケットを購入し、中に入った。
久々の海遊館は、
大きなジンベイザメ。海のトンネル。ペンギンの行進。イルカが楽しそうに泳いでいる。
様々な光景が見れ、私は楽しかった。
だが、身体とは正直なものだ。
オリエンテーションがあったのも理由としてあるとは思うが、少し動いただけでも限界がきていた。
「あのときのモヤモヤの正体はこれか…。」と、私はすぐ気づいた。
最初は耐えることができた。二人が楽しそうに魚や動物を見ている姿を見て、倒れるわけにはいかなかった。
海遊館で記念にキーホルダーを買い、外に出て夕食をとるため、お店を探していた。
そのときの私は顔色が悪かったようだ。
さすがに二人も気づいたようだ。
「しんどい?どこか座る?」
二人の問いかけに私は「ちょっと、息苦しいかな。」と答えた。
弱音だった。限界を隠さなければいけない。
でも、この二人なら大丈夫……。
何かは分からないが、安心感があった。
二人がベンチを見つけてくれ、三人でそこに座った。
私はずっと下を向いていた。
『何もできない。』
『また、迷惑をかけた。』
この二つしか考えることができなかった。
帰りたくはなかった。友達と遊びに来ていて、楽しい時間を終わらせたくなかった。
こんなの、私の
でも、こんな
二人から出てくる話題は「落ち着いたら、ご飯食べに行こうか。」だった。
落ち着いた後、私の体調のことも
レストランを出たら、空は暗くなっていた。
私は、夜に行きたい場所があった。
大阪城公園、桜の名所だ。
夜桜というのを見たかった。
桜は見たことがあった。
しかし、夜桜が
近年の大阪府内だと、梅田の『ウメキタ』と呼ばれる場所が
だが、二〇二二年現在の私は、桜=大阪城、大阪城公園という結論に至った。
私的には無理なお願いだったと思う。女性二人、遅くに帰らせるわけにはいかなかった。
そう考えながら駅へ歩いているとき、
私は少し前に、夜桜を見たいと
多分、私が夜桜を見たいことをわかっていたのだろう。
続けて
気にするよ……。危ないよ……。
普通の私なら、そう思うだろう。
しかし、私は「大阪城公園に行きたい。」と言った。
何言ってるんだろう。今になってはそう思う。
二人は「よし、行こうか。」と言ってくれた。
本当に大丈夫なのだろうか、とは思った。
けど「願いが叶うのか」と思い、ワクワク感があった。
裏には苦しさやしんどさがあったが、それを忘れさせるくらいの力があった。
大阪城公園の最寄駅、JR大阪城公園駅に着いた。
駅舎を出ると、目の前には賑わう店舗街、遠くには明るく照らされる大阪城が見えた。
私たちは大阪城を目指した。
二人とも歩くスピードは、私に合わせてくれた。
大阪城に近づくにつれ、桜並木が現れるようになった。
「
それだけだった。
ライトアップされた桜を三人でスマホを片手に写真を撮る。
私は遠くから撮影をしたかったので、十歩ほど下がっていた。
カメラには二人の後ろ姿が映っていた。
私は、夜桜・二人の後ろ姿と共に、こっそりシャッターを切った。
撮れた写真は、本の表紙にしても良いのではないかと、
帰路に着き、色んなことを考え始めた。
どれだけこの一日で迷惑をかけただろうか、と。
ただ、二人は終始笑顔だった。
「ごめんね。」と言っても、「なんで謝るの?今日はすごく楽しかったよ!ありがとうね!」と言ってくれた。
これ以上の言葉はあるだろうか。
とても嬉しかった。その分、感謝も多くあった。
この日を境に、私の感情は良くも悪くも波打つことになるのであった
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