第2話
そして彼女は、いかに手っ取り早く名前の
頭文字Uを見つけられるのか、どうすればUを見つけられるのかが分からなかった。
そこで、唯一彼女が心を許している義理の姉に聞いてみたのだ。「ねえ…、占い師に
こんな事言われたんだけど、手っ取り早くUを探す方法ってわかったりする?」と彼女。
すると義理の姉は
「あー、ね、それならマッチングアプリとかしてみたら良いんじゃないかな?」と義姉。
最初、彼女は躊躇っていた。
だってさ、マッチングアプリだよ??
身バレとかも怖いし、顔とか載せないといけないとか何から何まで怖すぎる!と彼女。
だが、Uを探す為に1番手っ取り早い方法が
マッチングアプリだとしたら、彼女は早速
マッチングアプリをやる事に決めたのだ。
Uから始まる名前の頭文字の人はマッチングアプリ内でもかなりの人数がいた。
だが、彼女は諦める事は決してしなかった。
何故なら彼女は何が何でもUを探さないといけないという使命を果たす為だ。
彼女はあれから数ヵ月後に仕事を無事に辞める事が出来、プライベートの時間が取れてからの彼女の時間は、ほとんどがマッチングアプリに費やされていて、名前の頭文字がUの人だけとりあえず、いいねを送っていた。
だけど、実名がUの人でも別の名前で登録してる可能性もあると考えた彼女は、相手から
いいねが来ると構わずにいいねを押し返していたのだ。
彼女の両親はマッチングアプリに必死に
なってる彼女の事を心配していた。
それもそうだろう。実名も顔も分からない人を相手に、実の娘がやりとりをしていると知って心が穏やかな親はごく少数であろう。
一方で彼女は思っていた。
本物のUという人はどこにいるの??そもそもUは、マッチングアプリをやっているの?
(ねぇ、どうなの?)と今にも彼女は独り言をいいそうになっていた。
だけど、そんな気持ちをグッと堪える。
(ううん、絶対にUはいるのよ。
Uという人は間違いなくマッチングアプリをしているの。だって私達、運命なのよ?)と。
さて、この彼女の気持ち、心からの叫びはUに届いているのだろうか??
Uは今頃何をしているのだろうか?
彼女はまたまた思った。
(Uという人へ、もし貴方が今
呑気にヘラヘラしてるならそんな事してないで、今すぐに私の所に来なさいよ。)と彼女。
そもそも本物のUは彼女と結ばれる運命にあるという事を知っているのだろうか?
もし本物のUがこの事実を知らないとしたら?
(私がやっている事は無駄な時間を過ごした事になるのかしら。過去の恋愛といい、辞めた仕事といい、どうして私ばかりこうなるの、私だって幸せになって良いはずよ。)と彼女は強く心に思ったのだ。
数年間の時間をマッチングアプリに費やしただけあるだろう。
彼女は今にも両手でバンザイをしたい気分になったのだ。
彼女は果たして本物の運命の人、Uと出逢えたのでしょうか??
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