第4話
思ったより担任の話が長く、HR後は保健室に顔を出せなかった。一時間目が終わって机に次の教科の一式を出して教室を出る。梅小路も一緒だ。ノックを三回。
「失礼します」
「おい〜す、海咲」
梅小路にしては控えめの音量で話す。
「ひなの様子はどうですか?先生」
「ぐっすり寝てるよ。寝不足みたいで」
「そうですか」
先生が促すまま、俺らはひなを見る。
朝よりは幾分か良さそうだな…。無理すんなっつっても無理すんのはわかってるが、無理しないでくれよ…。お前が自分なんか大事じゃねぇとか言っても俺は、俺と梅小路は大切に思ってるからさ。いまはゆっくり休みな。
「梅小路、行こう。次、山口だから遅刻はできん」
「誰でも遅刻は良くないと思うけどなー」
「じゃ、失礼します」
「ひなを頼むな、海咲」
「うん、行ってらっしゃい」
静かにドアを閉めて賑やかな教室に戻った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます