第4話

 思ったより担任の話が長く、HR後は保健室に顔を出せなかった。一時間目が終わって机に次の教科の一式を出して教室を出る。梅小路も一緒だ。ノックを三回。

「失礼します」

「おい〜す、海咲」

 梅小路にしては控えめの音量で話す。

「ひなの様子はどうですか?先生」

「ぐっすり寝てるよ。寝不足みたいで」

「そうですか」

 先生が促すまま、俺らはひなを見る。

 朝よりは幾分か良さそうだな…。無理すんなっつっても無理すんのはわかってるが、無理しないでくれよ…。お前が自分なんか大事じゃねぇとか言っても俺は、俺と梅小路は大切に思ってるからさ。いまはゆっくり休みな。

「梅小路、行こう。次、山口だから遅刻はできん」

「誰でも遅刻は良くないと思うけどなー」

「じゃ、失礼します」

「ひなを頼むな、海咲」

「うん、行ってらっしゃい」

 静かにドアを閉めて賑やかな教室に戻った。

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