第117話
「みこと!ごめんなさい。良かった、会えて」りんなが生徒を気にせずみことに抱きついた。食堂で。みことはやっぱり分かってないなと思いながらりんなの頭を撫でてご飯食べようと言った。まりあは何が何だか分からなかったが一緒に席に座った。
「そういえば昨日お茶貰えなかったな」
朝のお茶を見て何気なくみことは呟いた。りんなも何気なくすぐに寝ちゃったもんねと。
横で聞いていたまりあは咳き込んでしまい、水を飲んで落ち着こうとした。この2人朝からなんて事を??と思ったが口には出来なかった。まりあは肩にルナを乗せてご飯を食べていた。ルナは人参グラッセを嬉しそうに食べていた。
「ルナって甘いもの好きなの?」
あんな話をしていたのに突然りんながまりあに話しかけてきたので、慌ててしまってお水をこぼしてしまった。ハンカチで拭く方が早いので魔法よりハンカチを渡す。
「大丈夫?熱いものじゃなくて良かった。火傷したら大変だもんね」
大人だからあんな話しても平気で居られるのか?まりあは混乱しながら早めに食堂を去った。
「まりあ変なの。どうしたんだろ?ルナが甘いもの好きならクッキー作ってあげようかな」
「作ったらオレも頂戴。りんなのクッキー好きなんだ」
ザワザワする食堂でみことが言った好きなんだだけ何故かよく聞き取れて。余計にザワついた。
「なんだか……みんな落ち着かないのかな?いつもと違う」
「りんなが朝からオレに抱きついたからだろ?」
みことは少しミカの事を思い出していた。好きだった、守りたかった人。でも自分が真龍帝位になる為に、一緒に過ごせないから離れた好きな人。今は結婚して子供いるけど、まだ好きだから。お茶を飲みながら思い耽った。
「ねぇ、みこと。お詫びにお茶入れるから部屋に来ない?」
2人は噂が少しずつ広がってることを知らずにりんなの部屋に消えた。食堂から2人が消えた途端みんなが騒ぎ出した。真龍帝位同士がラブラブ?結婚?
多槻はそんな中食堂に来た。
「多槻さま!りんなさまとみことさまは付き合ってるんですか??」
朝ねむいと思いながら食堂に来た多槻は生徒に囲まれて慌てた。
「好きって言ってたの聞こえた」
「朝部屋から出てきたって」
みんな娯楽にうえている。そんな中恋愛ごとは盛り上がる。多槻は僕は一切知らないからと言って1人でご飯を食べて食堂から去った。2人にまずは聞こう。少なくともみことはミカの事まだ好きだと思っているので、そんな仲に2人がなるとは思えない。でもここまで騒ぎになってるのなら。一応確かめないと。多槻は溜息をついた。
「僕の娘の事でもあるからな……。考えもしてなかった。そしてみんな好きだな、こういう話」
りんなの部屋に行ってみるか?はぁ。なんて言えばいいんだ?付き合ってるのか?と聞けばいいのか?いや、それは色々難しい。どういう気持ちか分からないけれど、本当でも嘘でもモヤモヤする気持ちだった。娘を嫁に出す気持ちなのか??と多槻は結局悩みながら自室に戻った。
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