第115話
「よーし!まりあ久しぶり?かな?一緒にご飯食べよう!」
みことは夕御飯でテンション上がってたのだ。まりあは少し青ざめていたがみことに笑顔を向けた。
「お、今日はハンバーグとコーンスープとサラダ!ご馳走じゃん!」流石に生徒は遠巻きだった。第一神とは知らされてないが、りんなが敬うようにと生徒に指示して、自分より位が高い方だからとは教えていた。教える前は友達みたいに話しかける生徒も居たからだ。
「私……サラダとコーンスープとパンだけでいいです」
「栄養つかないだろ?ハンバーグ嫌い?」
「肉とか苦手で」
「じゃあまりあが配膳されるのオレに頂戴」
にこにこというのでまりあは頷く。りんなはオロオロしていた。
みことには話してなかった!狩りをして血塗れになって、そのトラウマで食べられなくなったことを!!でも止められずりんなは2人の後ろをついていった。
「私の分のコーンスープも飲んで。栄養あるから」
いつものようにまりあに1品渡す。まりあはありがとうございますと呟く。
「栄養足りないの?」
みことが不思議そうに聞く。りんなはうんと頷く。肉類苦手なんだって。可哀想で。と。
「ふーん、捨てられる方が命を無駄にして可哀想だと思うけど、そんな物なのかな。女の子ってそんな物?」
本当に不思議そうにみことは食べながらまりあに聞いた。まりあはサラダをつつきながらビクッとした。
「可哀想だと思います。私……」
「オレもさ、神の国での仕事で害獣駆除したんだよな。血まみれで、泣かれて。何度も殺した。人の畑を荒らす害獣を殺して、食べた。神だから別に食べなくてもいい。だけど神の心の栄養にもなるからね。生きとし生けるもの全て何かの命に生かされてる。だから全部食べた。数日かかったけどな」
みことはまりあのトラウマを知っている。みことの発言でりんなは気づいた。このメニューもみことが望んだんだろう。
「龍使いだから龍の命ともリンクしている。だから栄養は自分の為だけじゃなく龍の為としても、食べろ。それは龍使いとして最低限の事だ」
黙々とみことは食べていた。まりあは震えていた。
「苦しいのは分かる。嫌なのも分かる。ただ目を背けて自分の龍を殺すのは絶対間違っている。龍も弱ってる。龍を出すんだ。食べさせろ」
みんなが見てる中まりあは龍使いの杖を出して龍を呼び出す。龍のルナは嬉しそうにハンバーグを食べる。まりあはそれを見てぽろぽろ泣く。
「ごめんね、ルナ。食べたかったよね。木の実だけじゃ辛かったよね。ごめんね」
「多分まりあが食べられなくて、食べなくても龍が食べたら栄養補給にはなると思うんだよ。ある程度同化してる存在なんだから」
ルナがハンバーグを食べ尽くして、まりあも食べて。
「無理して食べようとしなくていいんだ。ただ身体に悪い。だからルナに食べさせろ。それはオレの名で許可するから」
みことは食べきって、ご馳走様でしたと手を合わせて食器を片付ける。
「りんな、紅茶飲ませてくれ」
みことはのほほんとしている。言ってくれればいいのに!と思いながらまりあと分かれて部屋に戻った。
「知ってたのね?」
「多槻にきいてたから」
この神は素早いと思った。私では対応出来ない。りんなは負けたと思った。
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