第107話
「今日はありがとうな。楽しかった。また色々調べたいから教えて欲しい事がある」
みことは科学に取り憑かれたみたいに興奮していた。りんなは昭弘に連絡した。教師だし基礎からの本とか集めてもらうことにした。お礼用の物を集める為に庭にいた。
「どうしたの?まりあ」
見たことないような杖のような物を持ってまりあは焦っていた。
「えっと、あの……」
杖を隠そうとしてるので木の実を探してるのを伝えてあえて聞かないことにした。
が、その計らいは脆くも散った。みことが突然現れた。
「最近興味のある龍使いと科学調べてるけど面白すぎるな」
急に現れてそう言ってるみことを見て倒れた。その音でみことはまりあに気づいた。
「ごめんな。驚かせるつもりは無かったんだけど……まりあ、この杖」
みことがまりあの杖を握りしめて聞いた。
「これは……本で見ただけだけど龍使いの杭打ちなのでは?」
そう言われたまりあはへたりこんだ。
「ここなら見つからないと思ったのに……」
確かにここにしかない木の実を探しに来なければ普段も来ない所だ。
「まりあ龍使いだったの?龍使いなんてレアな……」
そうみことが言うとまりあは逃げようとした。慌ててみことがまりあの腕を掴んで止める。
「まりあ……龍使いの国からきたのか?でもあの国は神より龍を尊ぶ国なんだよな?」
「詳しいですね。そうです。私小さい頃龍使いになりました。でもあの国では農耕じゃなく龍を使って狩りが主でした。私はそれを嫌って龍に頼んでトティランカに潜りました。その日暮らしでした。その時らかくさまが私の魔力の強さを感じたと仰って、街の学校に通いました。孤児院にも入って、ご飯と勉強に困らない生活になりました。ほっとしました。そして魔法が面白くて」
りんなは木の実を取りながら疑問に思ったことを言った。
「なぜ龍使いの杖?杭打ち?をここで使おうとしたの?」
「私の龍にご飯をあげたくて。りんな様、もう木の実いいですか?」
「うん。ジャムにする為ならこれだけあれば充分」
まりあは杖のようなものを地面に叩きつけ「いでよ」と言った。
小さい手乗り位の龍が現れた。みこともりんなも驚いた。龍使いが龍を使役するのははじめてみたから。
「本来の姿より小さいんです。そっちの方が食べ物少なくて済みますから。龍はなんでも食べるんですが、この木の実が1番この子は好きで。ちょうどいい頃なので来たんです」
龍は木の実を食べる。みこととりんなはびっくりしながら見つめていた。
「龍使いは龍と一緒に暮らしてる?」
「そうですね。私と割と同化してます。きちんとした龍使いになればもっと同化するのでご飯も人間から食べるだけでも大丈夫になります」
みことはそれを聞いて考えはじめた。
「龍と同化か。龍使いの国は独特の宗教で基本的に交流がないから……わからないけど」
みことは龍の頭を撫でて言った。
「まりあ、龍と同化すれば何か不便があるか?」
「不便かわかりませんが龍に変身することが出来るようになるそうです。私の生まれた国では神になるのと同じなので……」
「龍と同化すれば魂の器の強化が出来るかもしれない。龍に変身出来るということは神の国にも行ける身体になるということなんだから」
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