第19話

夏休みになった。私とたーくんの身代わりが作られて。記憶はその日の晩届くらしい?

ややこしそう。

トティランカで暮らすことになった。多少はわくわくする気持ちもあるけどやっぱり不安な方が勝ってしまう。

寮に入った。一人部屋だった。ほっとした。相部屋とかだったら落ち着かないから本当によかった。

トティランカは魔法に特化した国で神に1番近い国らしい。この国に龍の谷というのがあるらしく、そこが神の国と繋がってるとか。そこには位が高い人しか行けないらしい。

らしいばっかりだけどそう聞いただけだからどうしてもそうなっちゃう。

そんなに広くない国らしいけど。魔法使いの高位な人達はほとんどトティランカに集まるらしい。そして選ばれた魔法使いが集まる学校。そこに私達は通うんだ。通うのはいいけどどこまでついていけるのか。

「魔導書きちんと読めたかな?」

多槻様は嬉しそうだった。私とたーくんはお互い針を使ってカードに血を垂らしてカードと契約した。きちんと絆創膏用意しておいたよ。

そしてカードに本を登録して。本を読んだ。カードの能力は凄かった。読み込んだ本の内容。すっと頭に入ってくる。何度か読んだ本のように。カードに読み込むだけでは理解してるとはいえない。でも自分で本を読むことで。カードに登録されてた内容が自分に溶け込む感覚で。するすると理解出来て。広辞苑のような魔導書をするすると読み込めた。今度の本の内容は魔法の応用とこの世界の歴史だった。

神の存在が認識されてるから、神が国を作った所からはじまる。神を作ったのは誰なんだろうとか思いながら。読んでいく。神と人間の違いは最初は無かった。元々同じ存在だったんだ。

創世神と真なる神が産まれた。2人は子供を産んだ。そして子供の為に世界を作った。子供の為に他の生き物を作った。神と同等の存在も産まれた。でも力の、能力の違いがあった。その能力の違いで隔たりができ、一緒に暮らすには厳しくなった。

真なる神が能力の低いもの達が暮らしやすいように川や暖かい日差しの土地を作った。

能力の高い者たちは低い者が近づかないように生きにくい世界を作った。魔力が高くないと暮らせない世界を。

創世神はその能力の高いものにその世界で暮らせる器を与えた。

器を得たものは後々神と呼ばれる存在になった。

神と人間は元々が同じだった。今は器の違いで決定的に違うのだけど。

真なる神は双方の世界を争わないように、関係性をつくった。

人間の土地で実り豊かに暮らすと神の国にも恩恵があるように。逆に人間の土地が枯れると神の国ももっと暮らしにくくなる。どちらの国も平和に暮らすためにはお互いの国が平穏であるように。神の国が安定すると人間の国も豊かになるように。

神の国と人間の国は別にありながら共存しないといけない関係にあった。

ただ。創世神と真なる神の子供が大きくなって真なる神を愛した。

真なる神は2人を選べずに2人が仲直りしたら会えるように魔法をかけて。

人間の土地の奥深くに眠るようになった。

創世神と子供は仲が悪くなったけれど、力が強いのでお互い闘うような事はしなかった。憎しみあったけれど。

真なる神は2人の和解を願って今でも地中で眠っている。

早く仲直りできるといいけれど、難しいんだろうな。

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