第20話
トティランカは選ばれた土地というか、魔法使いでもある程度力は強いけど後に神になる人々とは相容れない人達が暮らす土地だった。
神と人間が完全に分離した時に神と人間との繋がりを望んだ者たちの為に龍の谷をトティランカに作った。
神と人間が繋がる国。だからこの国の王は神に選ばれた人がなる。それだけの力が無いと駄目なのだ。
トティランカは能力が高い人が多かったので能力の低い人達を集めて魔法能力を上げていた。
総合的に世界からも一目置かれる国になった。だから各国の魔法使いはトティランカに憧れる。トティランカに集められた人達の中の1人が神と同等と言われる真龍帝位という位を与えられた。その名は尊いらしく口伝でしか伝えられないとのこと。
ただその方が神になった時トティランカは国の1/6燃えたとの記録があるらしい。その方のせいなのかその方が神と同等となったせいなのかは分からない。でも、その件で。
人が神と同等となるのは神の怒りを被る可能性があるとなり、人々は神に憧れ恐れる存在となったという。
神と同等。あくまで神になった訳ではないらしい。
その方は神の器を頂き人間とは違う時を刻むという。今でも生きているそうだ。
地上にいる神と同等のひと。会ってみたいなぁ。
「神にあったらどうする?」
ふとたーくんに言ってみた。紅茶を入れ用事の無くなった砂時計を弄びながらたーくんは話した。
「神様?お願い事つたえるかな?」
どうしても日本の神様のイメージが強い。初詣でお賽銭をなげお願いをする。そういうイメージだから。
「向こうの神様って人間と住むのを嫌がった位だから願い事聞いてくれるのかな?でも15になったら神の加護を受けられるというから、お願い事聞いてはくれるのかな?」
ちょっと意地悪な気がした。神様ってこっちの世界と向こうの世界では違いすぎる。向こうは実際に会える存在なんだ。こっちの世界と違いすぎる。しかも日本はほとんどの日本人が無宗教で他の国の神や仏など受け入れてる。唯一神の宗教も多神教の宗教も一緒くたなんだもの。
「いじわる。でも。元々同じ存在だったのなら。話してはみたいな。神様は器の関係で永遠の命らしいから」
永遠の命。漫画でもポピュラーな題材。割と悲惨なイメージが強いけど、向こうの世界は神々は皆永遠の命なんだから、1人残された永遠の悲しみとかとは違うだろう。
「俺も同じだよ。面白いと思うんだ。話してみたい。そして魔法の能力上げて……」
砂時計を眺めながら遠くに意識があるみたいなたーくんはぽつぽつと話してた。
たーくんには明確に希望があるんだ。魔法を使って何かをしたいって。私とは違う。私を守りたいってのもたーくんの性格からして嘘じゃないと思う。だから。他にも目的があるけれど、それを隠して私を守る為にって理由を掲げて勉強してるんだ。多分私よりずっと未来を見てるんだ。
「たーくんみたく頭良くなりたいな」
私はぽつりと呟いた。天と地の差があるのは分かってる。でも。一応トティランカの次の王に選ばれたんだもの。
そう言った時、部屋の扉をトントントンと叩く人がいた。私は咄嗟に立ち上がりはーいと答えた。
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