第11話

たーくんも同じように呪文を唱えて炎を出した。

そしてお義兄さんはペンダントを私とたーくんにかけてくれた。

「これはリミッター解除とリミッターになる。そのペンダントを握って解除と唱えれば魔法が使えるようになる。握って封印といえば魔法が使えなくなる。そのペンダントは見えなくするよ。でも2人ともペンダントしてる事は分かるよね?」

確かにペンダントしてたら学校で怒られちゃう。だから仕方ないけど、魔法少女グッズ……。変身魔法。未だに諦めきれない。でも使えるようになって勉強したら、出来るかもしれないよね!

少し落ち込んだけど、頑張るぞ!

家に帰って冷蔵庫から炭酸水を出して飲む。ペットボトルを部屋の机に置いて考えてみる。無いものを作るのは難しい。でも炭酸水だったら水の中に二酸化炭素入れたらいいだけだよね?これくらいなら魔法応用したら作れそう。ただ水の中に二酸化炭素を入れても溶け込まない。

魔法のこと考えるのも楽しい。魔導書をベッドに寝転びながら(行儀悪いけど)読んでみる。

火の魔法。水の魔法。風の魔法。光の魔法。部屋の中だと風や光なら練習出来るな。

少しずつ練習していった。魔導書の魔法ほとんど使えるようになった。めんどくさい魔法陣はずるをしてみた。

コピーして魔法陣だけラミネート加工して毎回書かなくてもいいようにしてみた。カードキャプターさくらちゃんみたいにカード使って魔法使えるのよ。こっちは手作りだけど。

魔法で綺麗にカードに刻印すればいいんだろうけどそこまでの技術まだないのよ。削るとかないから。魔法で少しずつ溶かすとかも無理だったし。

世の中の魔法使いよりしょぼいけど。私も魔法使える!と少しは言えるようになった。

お義兄さんに魔法披露したら嬉しそうに頷いてくれた。

「りんなちゃん。すごいね。ここまで使えるようにすぐなるなんて。そして魔法陣コピーして使うとか考えたね。それをラミネート加工するなんて」

私の努力の成果を褒めてくれた。えへへ。嬉しい。

「ごめんね。魔法カード渡してたらこんな手作りじゃなくてカードにコピーできるから簡単だったんだけど。最初からコピーするとは思わなかったよ」

多槻さまやお義兄さんが使うカード。そんなこと出来るんだ。ああ。なんだか徒労に終わったけど過去の人も描くのめんどくさかったんだろうな。同じなんだろうな。

少し凹んだけど魔法カードを貰えたらこれからはさくさく覚えられるよね。えへへ。もっと色んな魔法使えるぞー。

「カードは多槻さまが試験してからだけどね」

ごくり。なんだかそう言ったときのお義兄さんはすごく真剣な顔をしていた。たーくんは今までお義兄さんの話を聞きながら魔導書を見ていた。

「今までは基礎の基礎だっただろ?多槻さまとやらの試験受けたらこんな簡単な魔法じゃなくて本格的な魔法を学べるんだよな?学校行きながら」

それは少し不思議に思ってた。学校に行きながら向こうの世界に行って勉強するの?現実的に無茶だよー。

「多槻さまの試験に合格したらカードを貰える。それでテレビ電話のように多槻さまから直接ある程度教えていただく。夏休み。向こうの世界の学校でどれだけ出来てるか色々出来るだろう」

つまりは夏休みまでは通信教育なのね。夏休みまでもあと2か月もないし。まぁ、なんとかなるのかな?

あ、試験に合格しないといけないのね。でもお義兄さんの雰囲気だともう大丈夫みたいに思える。

あくまでも儀式的なものにこだわってるようにみえるから。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る