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 家に帰ってくると光はスヤスヤ昼寝をしていた。幼稚園から帰ってきて、最初はとても興奮していたそうなのだが、疲れて寝てしまったらしい。翔平が枕にされていて迷惑そうな顔をしているが動けないらしい。


「へえー! ボス級かあ。みんなにプレゼントがあるったが?」


「おう。まず祖母ちゃんにこれ」と、きれいなオカリナをプレゼントする。肺を鍛えて長生きしてもらわねばならない。無尽講の仲間にもオカリナ教室に誘われていたらしい。


「あかりにはこれ」と、ドールさんを取り出す。きれいなガラスの目のはまった、そりゃもう美しいお人形さんだ。あかりが生唾を飲むのが聞こえた。


 姉貴には白いジグソーパズルを、わかばちゃんには将棋セットを。で、光にはなにかというと、電池のいらないプラレールのすこたま豪華なセットを手に入れてしまったのだった。


「ぷ、プラレール。こんなぜいたくなオモチャプレゼントしたら味をしめて来年もクリスマスやるって言うってね?」


「まあそうなったらそうなったときでね? そしたらまた戦うお父さんやればいいんだしや」


「真理だ……」

 というわけで、夜、光が寝た後、枕元……にはおけなかったので床にプラレールを置いておく。明日の朝、喜んでくれるだろうか。

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