12/23

 虻川に「なした?」と聞く。

「すこたまでっかい『悪魔のオモチャ箱』に追いかけられてらんだ。さすがに一人で相手するのは無理だと思る」

 虻川はぜえはあ言っている。向こうから超巨大な「悪魔のオモチャ箱」がどしんどしんと現れる。これはボス級でねっか。スコップを構える。


「やるべし。二人ならなんとかなるべ」俺がそういうと虻川は力強く頷いた。

 その戦いはまさに激戦であった。こちらも少々怪我をした。それでも「悪魔のオモチャ箱」を倒して、なにがドロップされるか固唾を飲んで見守る。


 どかん! と「悪魔のオモチャ箱」は爆発四散した。

 中からすごい数のオモチャが噴き上がる。見れば大人サイズの変身ベルトやら、骨董品として価値のありそうなブリキのロボットやら、それこそあかりが欲しがっていたドールさんやら、大人が楽しいオモチャを中心にドロップしていた。


 そのうえ小さい子供向けのオモチャもちゃんとドロップしていたので、俺と虻川は思わずハイタッチした。

 これなら家族全員にプレゼントができる。カブの箱にいろいろ押し込み、家に帰った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る