第37話 人外への一歩

早いものでウィンダー侯爵となり3年になろうとしていた。

領地の事はお爺さまと家臣たちに任せて、この3年の間必死にスキルを磨き続けてきた。

そして、時どき婚約者であるシャーロット様とお茶会に参加していた。

お茶会になると、なぜかシャーロット様は、自分が作り出した物に顔を近づける謎の行動をする。

お付きの方に聞いても答えをはぐらかされる。

謎の行動について本人にはなかなか聞きにくい。

いくつかのスキルは、精霊から水魔法と一緒にもらったことにして、普段は隠蔽を解除している。

木製品製作はようやく【Ⅷ】に到達。

アマダンタイトの如き木製品が作り出せるようになった。

木剣をスキル【木】の木製品製作【Ⅷ】を使い作ると、アマダンタイト を使った剣と同じ物ができるそうだ。

【Ⅶ】でミスリル。【Ⅵ】で魔鉄と同じ物ができる。

もはや木製品とは言えないと思うが、スキルがそうだからいいのか。

ちなみに【Ⅶ】と【Ⅷ】で木剣を作ってみた。

【Ⅶ】で、白銀に輝く木剣。

【Ⅷ】で、どこまでも深い漆黒の色をしている木剣。

何本か作り陛下とお爺さまに差し上げたら、2人ともとても喜んでいた。

さらに現在この世界に水魔法Lv9と氷魔法Lv10は自分以外いないらしい。

これは水の大精霊ウィンが言っていたから間違いない。

なぜなら、1500年ほど前に人間達とエルフ・魔族たちが戦争をしてあまりにも強力な超広範囲殲滅魔法を撃ち合い、その結果大地がとても荒廃してしまった。

荒廃した大地は、今でも元に戻っておらず不毛の大地となって、草木も生えない砂漠となっているか、逆に濃すぎる魔素により魔物たちの巣窟となっていた。

強力な魔法をみだりに使わせないようにするため、慈母神アーテル様が下級神に命じて魔法Lvを制限されているそうだ。

ちなみに自分の次にレベルの高い人は水魔法Lv8、氷魔法はLv7だそうだ。

つまり水魔法と氷魔法はLv9から上は自分1人ということになる。

この3年間、お婆さまと水の大精霊ウィンによる指導という名のしごきに耐えて、ようやく氷魔法がLv10に到達した。

ウィンは僕を指導するにあたり、お婆さまには姿を見せて一緒に共同で指導を行っていた。

水魔法が得意なお婆さまは、水の大精霊の姿が見れて大感激。指導に熱が入る結果となっていた。

何度走馬灯が見えたことか、特にウィンは手を抜くと言う事せずにガンガン鍛え上げようとして、平気で高レベルの魔物たちの巣窟に放り込んでくれる。

ノーム以上に脳筋かもしれない。

そんな状況のためか並列思考と気配察知のスキルが身についていた。

倒した魔物は時空魔法の派生スキルの一種である空間魔法で収納して、冒険者ギルドに下ろしている。冒険者ギルド総本部長がお婆さまの親戚になるから助かる。

ウィンは、どうやら僕を鍛えることに喜びを見出したように見受けられる。

現在この世界で人が扱える魔法Lvの限界は通常Lv8で、才能が飛び抜けたものでもLv9まで。

だが、ウィンはそれ以上に全てのスキルLvを上げようとしていた。

そのためか、とうとう種族に疑問符がついてしまった。

ちなみに魔法に優れているエルフや魔族であっても魔法スキルはLv9が限界らしい。

魔法スキルLv10は地母神アーテル様の許可無くして到達できないそうだ。

さらに称号の欄にはいつのまにか【ノーム流精霊拳 免許皆伝】の記載が増えていた。

どうやら人外への一歩を踏み出してしまっているみたいだ。

そしていよいよ明日に帝都学園への入学試験が迫ってきていた。



氏名:レン・ウィンダー

年齢:10歳

種族:ヒューマン(?)

職業:ウィンダー侯爵家当主

   神像職人

状態:良好

スキル:

  木 Lv8

    ・木製品製作 【Ⅷ】

    ・魔力吸収  【Ⅲ】(MAX)

    ・木と森と大地の恵み【Ⅶ】

    ・ウッドゴーレム

    ・神像作成

    ・植物創造

    ・神器作成

  生活魔法

  身体強化Lv6

  魔力操作Lv9

  水魔法Lv 9

  氷魔法Lv 10(MAX)

  風魔法Lv6

  土魔法Lv6

  気配察知Lv5

レアスキル:

  神眼(隠蔽中)

  剣聖 Lv6(隠蔽中)

  全魔法適正(隠蔽中)

  魔力回復量UP Lv8(隠蔽中)

  全状態異常耐性Lv7(隠蔽中)

  隠蔽Lv5(隠蔽中)

  神聖魔法Lv7 (隠蔽中)

  時空魔法Lv6(隠蔽中)

   収納魔法Lv5(MAX)

   ルーム Lv5(MAX)

   転移魔法Lv2

  並列思考Lv5(隠蔽中)

  頭脳強化魔法(隠蔽中)      

称号:

  慈母神アーテルの使徒

  ククノチの加護 

  木と森の精霊たちの寵愛

  慈母神アーテルの神像職人

  水の大精霊ウィンの加護

  風と森の大精霊シルフィーの加護

  世界樹の精霊ユグドラシルの加護

  土の大精霊ノームの加護

  ノーム流精霊拳【免許皆伝】

補足事項:(神眼保持者のみ閲覧可能)

※木製品製作【Ⅶ】

   ミスリルの如き強さと硬さと特性を

   持つ木製品を作り出せる。

    色は白銀の輝きを持つ。 

  ※木製品製作 【Ⅷ】

   アマダンタイトの如き強さと硬さと特性を

   持つ木製品を作り出せる。

    色は全てを魅了する漆黒。

  ※木と森と大地の恵み【Ⅶ】

   木や森に魔力を与えることで一時的に成長を

   促進。

   成長力400%アップ。効果は8日のみ

  ※頭脳強化魔法

   脳のあらゆる能力を引き上げる。

   連続使用5時間以内

   既に完成されているためLvは無い

  ※ノーム流精霊拳

   大地の地脈の力を取り込み戦いに

   使うことができる

   初の免許皆伝者

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