西の国編
恐怖の味
雨が降りしきる中遠くの荒れた海を見ながら無人の道路に立つ
後ろから肩を叩いて青い髪の女が言う
「待った!?やっと来たね、瑞星!」
「...まだこんな国境の紛争地帯に居たんだね」
「そうだよ、あなたをずっと待ってたの
私を殺してくれるんでしょう?」
「それが私の役割だからね」
「じゃあせめて最後はお互い全力でやろうよ何もかも使ってさ」
「でも...」
「大丈夫、ここから40キロ圏内に人はいないよ
お互いのびのびやれるよね!」
「分かった」
距離を取ってお互いの様子を伺う
アスファルトを抉りながら足を引き地面ヒビが入る
「噓は無しだからね!全力で、だよ」
「分かってるよ」
腕を突き出して距離を詰める
世界がゆっくり見え衝撃で雨が止まる
入り身で相手の腕をはねのけて脇腹に手のひらを当て、指で打つ
お互い機関砲出し撃ちながら下がる
時間の流れが元に戻り、周りの家が倒壊する
ペッ
「鎧通しね、渋い技使うじゃん」
直後耳鳴りと共に全身の骨に痛みが走る
咄嗟に雨を蒸発させて音波を防ぐ
ブレードを持って水蒸気を突っ切って出てくる
「うーんやっぱ対応が早いね、瑞星!」
浅く体に刺さったところで手で掴んで膝で蹴折る
「そっちもね」
折れたブレードを切り離して殴って深く刺され、そのままタックルされて
壁にぶつかる、後ろの建物が粉々になって遠くに飛んでいく
相手を蹴って弾き飛ばして引き離す
また睨み合う
「いいね!楽しくなってきた」
刺さった刃をを抜いて捨てる
「...」
ガチン!
お互いの安全装置の外れる音が無人地帯に響く
周りが炎に包まれる
「ああ...そうそれ、あなたの本気が見たかった」
ガチン!
「まだもう一つ残してるけどね」
立ち上がり際に音を置き去りにした掌底が体にめり込み、
背後の建物が衝撃波で崩れ
周りの物が赤熱する程の熱が発生させる。
腕を掴まれ、機体全体が凍結した状態で巴投げで投げ飛ばされる
「ッ...流石の熱衝撃耐性、いいので出来てるねえあなた!」
装甲をばら撒きながら体を捻って着地し
飛んできた斬撃を紙一重で交わす
衝撃波を出しながら突っ込んで来る
蹴りを掴んで飛ばして投げ飛ばし
直後に相手の撃った機関砲を躱して撃ち返す
そのまま飛び上がって蹴るが腕で掴まれ地面に叩きつけられクレーターができる
地面にめり込んだ状態で腕を回転させて機関砲を撃って当て反撃を避けて回転して立ち上がる
「ふーん流石、やっぱ強いよ...本当に...」
相手が動体視力より早く動くのに合わせて追従する
周りの物が衝撃波で飛んでいく
ワイヤーでからめとってすれ違いざまに切る
「おっと」
切れた胴体を手で押さえてそのまま接合する
同時に切れた首を接着しながら言う
「まあ当然このくらいはできるか...」
「どう?私はずっとあなたに憧れてた
だから強くなりたくてその一心でここまで来た」
「うん、あなたは本当に凄いよ」
遅れて降ってきた雨の中水蒸気が立ち上り
お互いの静かに安全装置がガリガリと音を立てる
「本当!?嬉しい!」
お互いが構える
相手の初撃で相手を掴んで
空に投げ飛ばす
ガチン!
雨を降らせていた雲に穴が開く
閃光で周りの建物や装甲が溶ける
「...」
空から酷く損傷した状態で地面に落ちてくる
「これは確かに私が適度に弱らないと使えない技...だね...でも今度は私の番」
装甲が曲がり金属がきしむ音がする
圧縮されたコンクリートの津波に飲まれる
...
コンクリート塊から手を出す
手のひらを握ったまま言う
「あーあー届かなかったか...」
震える手を見せて言う
「でも私にこれだけ損傷を与えたのは貴方が初めてだよ」
転がって仰向けになって言う
「それだけじゃないよ”そこ”に居るのが誰かは知らないけど、
私があなたを怖がらせた最初で最後の機体かもしれないよ?」
「これが?...まあそうなのかもね」
「最後にこの故郷の町が見たい、手を貸してくれない?」
「...」
手を握ったところで組み付かれる
「やっぱりあなた、優しすぎるよ」
自爆装置が作動する
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