西の国過去編

西方戦線

照明弾が煌々と光る爆音や銃声が響く夜の市街地を複数機で固まって動く


「隊長、第12、15機甲小隊以下3隊が全滅、

ここも包囲されていますどうしますか」


「どうするったって敵部隊は足が速い、火力も上だ

今は固まって包囲を抜けるしかないだろう各隊密集、敵の遊撃部隊に備えろ」


「旧型は後ろで支援しな!前衛はあたしたち新型が受け持つよ!」


ジリジリと押されていく戦線を肌で感じる


「敵は機動部隊で密集陣形で戦線張ってる敵部隊に押し付けて

集中砲火で仕留めようとしてくる...面倒だね」


「隊長、敵が新たに三部隊、味方指揮所も落ちました」


「明星、味方の損害は?」


「大破が10中破が6小破が15です」


「キツいね...」


急に辺りが静まり返る


「音が止んだ...敵の声も銃声も聞こえない

どうなってんだい明星!何か分かるかい?」


「いえ私にも一切...敵の生命反応がない?

悲鳴しか聞こえません...」


ガイガーカウンターが降り切れ、警告音が鳴る


「チッ核か...総員、NBC防御!」


空が炎で昼間のように明るくなり

悲鳴だけが聞こえる


「明星この状況...どう思う」


「分かりません、しかし核兵器が使用されたような観測データは

来てな」


「動体反応!こっちに来てます!」


「敵かい?」


「IFFが切られてます」


「全員物陰に!来るよ!」


多数の銃口が通りの向こうに向く


ぬるりと目の前から人影が現れる


「白髪に青い目...見たことない型だね...」


人型その場で敬礼して大声で言う


「南部軍第一中隊、瑞星...援軍として貴下小隊に編入され只今現着、着任しました!」


「これは変なのが来たね...」


「で?あんたが味方だって証拠は?」


地面にデータキーを置いて蹴って渡す


「明星、どうだい」


「ウイルスもありません、南軍の最高権限の暗号指令です

敵にも渡っていない物なので信用しても良いかと...」


「だそうだ、来な!」


「いえ、機体が汚染されているのでこのままで、

退路は開きました、ついてきてください」


「そうか、だそうだよ皆!」


その後基地まで護衛されて帰った


基地で新型を囲む


「アンタ、お陰で助かったよ

整備士、コイツを先に整備してやってくれ!」


「問題ありません、私の構成素材のほとんどは有機素材なので」


「ン、そうかい、じゃあ後で宿舎で顔合わせだね」


「了解」


「アンタ変わってるね」


宿舎に移った


「皆!コイツが今回本隊に臨時で入った瑞星だよ」


新型が全員に挨拶した


「よろしく」


「それでアンタ、出身と年齢は?」


「出身地は無し、肉体年齢は15歳です」


「出身地はともかく、見た目のわりにはみんなより年上だね」


数時間で顔合わせが終わった


外で空を見ている新型に話しかける


「アンタ、空なんか見て何やってるんだい?」


「衛星通信でデータを取得しています」


「衛星?なんだいそりゃ」


「極秘」


「ハハ...そうかい」


新型に背を向けた瞬間新型が言う


「3年後、私はあなたたちを殺すことになります」


「...」


「冗談だろ?」


「いいえ、私はそう命令されて作られました

ですが執行猶予期間の3年間まであなた達を守れとも命令されています」


「そうかい、じゃその時はあんたを逆に殺してやるよ

それとこのことだが、同型以外には黙っといてあげる」


「なぜです?全員で挑めば勝てるのに?」


「冗談を言うんじゃない、アンタとやり合ったら

全員殺されるに決まってるじゃなか」


「...」


そのまま立ち去った

















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