カタリナ・バーンズワース   シャオメイ・アッカーマン(シャーリー・オーサー=ファン)

 今回もまた短いギャラリーとなりましたその6。

 依然変わりなくどうしょうこともない絵と、雑語りでももっとマシなものがありそうな文章にお付き合いくださり、ありがとうございました。


 そんなそろそろ描く人もなくなってきて、次のギャラリーがあるやらどうやらのタイミングを飾るのは侍従コンビです。

 といっても、片方はもう故人なんですが。



 カタリナは結構まえから登場していましたが、出番があんまりなかったのでギャラリーに載せないうち、こんな後ろになってしまいました。


 でも優秀で忠実、あのジュリさまの妹とは思えないほどの、本作指折りの真人間です。

 シルビアに対するリータみたいなもので、その存在は公私に渡ってクロエを支えています。

 まぁクロエがシルビアみたいな変態でもなければ、この内戦で心傷付き疲れるまでは明るい『できる子』だったので、そこまで目立たない側面はあったのですが。


 でも逆にこのたびは、一気に出番も増えて大活躍。

 ネームドキャラの妹であるだけの実力を発揮してくれました。


 しかしそれが、愛する兄の運命を縛ってしまうという悲劇にも繋がるのですけども。

 これはこれで、周囲(と作者)の都合に振り回される悲劇の人物かもしれません。






 作者の都合で言えば、この人はもっと。


 シャオメイ(本名は違いましたが、こっちの方が馴染みありますし)は当初、というかギリギリまでプロットや予定になかった人物でして。

 実はジュリさまが死ぬところを書いてる段階ではまだ頭の中にすらいませんでした。


 でもノーマン地獄編(言い方)に入った時、


『かつてショーンの件もあったし、宮殿はケイのお膝元でもあったし、シルビアサイドからのスパイが、一人はいないとおかしいよな』


 と思いまして。

 急遽生まれたキャラだったりします。


 その結果、短い登場期間のあいだにエージェントしての活躍を描いたり、起こる問題に対して周囲を前に進める役割も『どうせだし一緒にやってもらうか』と任せたりで。

 終わってみれば、異常なまでの活躍をするスーパーウーマンになってました。


 作中で本人が言っていた

「『ノックスの十戒』には『中国人を登場させてはならない』」

 のくだり


『ノックスの十戒』とはミステリ作品を書くときのルールみたいなもので。

 これが作られた当時、西洋では中国人を、東洋の怪しげな術や雑技団的身体能力を発揮する、ミステリアスな超人と捉える考えがありまして。

 ミステリでもぶっちゃけ不可能だったり想像もつかないトリックを

『犯人は中国人だから可能』

 で解決しちゃうものが横行したんだそうです。

 だからあの発言は人種差別ではなく

『中国人という=超人』

『破綻した話を超人で成立させてはならない』

 ってことです。

 まぁノックス曰く、

『西洋人は中国人はモラルが低いと考えて、やたら犯人にする。登場人物に中国人がいたら犯人は大体そいつ。しょーもな』

 みたいな、ノックス自身というより当時の人種への偏見にも触れていますけども。


 それはさておき、なのでシャオメイのセリフは

『あんたらのなかじゃ中国人は超人なんでしょ? だったら私がなんでもできてもおかしくないよね?』

 という皮肉めいたジョークだったりするのですが。


 結局エージェントである以上に『中国人』してる犯人(?)になってましたね。


 なので十戒に従い、物語から退場

 とかいうのではないです。

 ただひたすら、本人ががんばった結果です。



 https://kakuyomu.jp/users/chitose1129/news/16818093085233013396

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