第8話

「それネタバレしていいの??」

「「「知らん」」」

おーっと。

というか、南だよ公開告白って。

ましては、アイドルと歌い手やぞ?こんなの炎上確定だよ!!

「でも、ちょっと待って。俺、まだ本人から言われてないんだけど」

「「「当たり前」」」

「いや、ほらさ。事前になにか接触するとかないの?」

「「「そんなにうまくは行かない」」」


唐突に、公開告白を兼ねたライブを知らされた。

俺たちも人間だから、ライブでさえ緊張するのにそれに加えて告白イベントまで?

とてもじゃないけど、意識を保てる自信がない。

でも、長い間ずっと喋ってこなかった幼馴染とまた関係が持てるってことか。

これは、無駄にしたくない。


正直、俺も実姫が好きだった。

だけど、妹も好きだ。

幸い、もう告白されるってのは決まっている。(実姫にとっては可哀想だけど)

だから、ライブの日までに決断しなきゃ。

ちなみに、みつきっていう頭のネジが外れてるやつが「ふたりとも付き合えば?」とかいう意味わからないことを言っていた。もちろん却下。

本当はそうしたい。だけど、この国は一夫多妻制じゃないんだ。


「てか、リオンってなんか変な炎上してるよね、今」

「それ見たわ、SNSで」

「大丈夫かなーって思ってたけど」


「は、それ初耳なんだけど。どんな内容?」

「炎上っていうか、リオンの知り合いを名乗るやつがリオンの暴露みたいのをしてて

 、半数はそれが嘘だってわかっているんだけど。少数がそれを信じてこぞってリ

 オンを叩いてるってわけ」

「暴露ってどんなことを?」

「陰キャだとか」

「それは事実」

「実はブスだとか」

「それも事実」

「10人と付き合ってるとか」

「それも事...実じゃないね。デマやん。陰キャがどうやって10人も作るの?」

「「「たしかに」」」

「全員で言われるとダメージくらう」


どうやら、今俺は二つのイベントを抱えているようだ。

一、実姫からの公開告白withライブ

二、何者かによるデマ暴露


二が解決しないと、一でなにが問題が起こるかもしれない。

ライブは、一応生徒onlyだけど、噂はすぐ広まること。

実姫にも迷惑がかかる可能性がある。

これは、父に頼むかな。久しぶりに。

「父さん、ちょっと調査してくれない?」

「任せとけ。こちとら何年ネット民やってたと思ってるんだ」

ちなみに、探偵とかではない。ただのネット民だ。

多少の特定作業はできる。悪用はしちゃだめだけど。


「さ、反撃するとしますか。」

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