第2話 富

 リモルー王国の女王ノドカはその美貌とカリスマ性で民の心を掌握しただけでなく、仁歌を用いて妖精の心を魅了し、自身の側近として召喚するなど莫大な富と権力を築き上げ、リモルー王国の象徴ともいえる存在となっていた。そんなある時、島の西岸に巨大な船が着岸したとの噂が耳に入った。偵察に行っていた妖精の情報では、見たことのないお洒落な風貌かつ様々な武器を持った8人組。そして魅力的で母性本能がくすぐられるほどのイケメンだったそうだ。小柄で端正な顔つきながら「トミーガン」を愛用し、素早い動きで敵を翻弄するマッツ、赤い髪と緑の髪が特徴の双子の「魔弾」使いであるチーノとスーノ、大柄で筋肉質ながら心優しい「モーニングスター」使いの最年少トーミ、ミステリアスな雰囲気でありながら「ハルバート」をこよなく愛する特攻隊長のアサヒ、周りの環境に溶け込みゲリラ戦を得意とする「ダガー」使いのゴンドー、遠距離から狙った獲物を外さない「クロスボウ」使いのルイザ。特にリーダーと思われる男は長身でメガネをかけ気品溢れるオーラを纏っていたという。リーダーの名はシャイマン・ザカス。腰に豪華な装飾の施された「ロングソード」1本のみ所持し、残りの7人の重装備とは明らかに異なる出で立ちであった。そんな8人の侵攻をいち早く察知したのは、リモルー王国西部を拠点としているオーガ族である。これにドワーフ族が加担し8人対200を超えるモンスター群の長期に渡る戦いが始まった。これが後に語られることになる「ザカスの暁光」である。


 それから20年の歳月が流れた、、、

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