第6話 勇者はよく寝るらしい


次の日、俺が起きるとレオンはまだ寝ていた。

朝食を買ってくるか。

俺は屋台でサンドイッチを買って戻ってみると、レオンはまだ寝ていた。

まぁいいか。俺はレオン専属ということで魔法師団に顔を出さなくてもいいし、後で騎士団の訓練所に行くかどうかはレオンの意思に任せればいい。


サンドイッチを食べながら、これからのことを考える。

まずは家を探して、ベッドと、生活用品でも買って、そして魔法を教えて、剣術はできるのか分からないが、レオンが望むなら教えるか、教官を王家に用意してもらうか。

ある程度基礎ができたら、実践として冒険者ギルドに登録して討伐を受けてもらうか。

金銭のことも教えなければならないか。

生活魔法は先に教えないと風呂で困るな。俺が毎回水を出して頭を洗ってやるわけにもいかないし。

喉が渇いても自分で水を出して飲めないのは不便だ。


・・・それにしても起きないな。

違う世界ではこんなに寝るものなのか?

起こしてもいいものかどうか迷っていると、ようやくレオンは起きた。

俺の中ではもう朝ではなく昼なんだが。


「あーよく寝た〜

アデルおはよう。なんか枕変わると寝れなかったんだけど、この世界だからかよく寝れた〜」

「そうか。それはよかったな。さっきサンドイッチを買ってきた。食べるか?」


「食べる〜

サラダチキン入ってるじゃん。アデルって意識高い系?それともダイエッター?」

「どちらもよく分からないしサラダチキンというのも分からない。その肉はコカトリスをハーブを入れた湯で茹でたものだと思う。」


「コカトリス?何それ、初めて食べる〜

普通の肉だよね?なんかゲテモノとか虫とかじゃないよね?」

「鳥型の魔物だ。」


「魔物。なんかチラッと昨日の本に載ってた気がする。魔物は魔力溜まりとかから出てきて、人を襲ったりするって。大型の魔力溜まりが出来るとスタンピードだっけ?大量に出て街が襲われたことがあるとか。食べれるの?食べていいの?」

「問題ない。昔から魔物の肉はよく食べられている。」


「そうなんだ。じゃあ食べてみる。

ん?うーん、分かんない。普通に鶏肉って感じ。」

「レオン、今日はどうする?

これから家を探しに行こうと思うんだが。」


「家?なんで?あー俺の家?」

「レオンはまだこの世界に慣れていないから、俺がしばらくは一緒に住むことになるが、この部屋にはベッドをもう一つ置くことができないからな。2人で住める部屋だ。」


「男と二人暮らしか〜

どうせなら可愛い女の子と同棲したかったな〜」

「・・・それは悪かったな。俺も同感だ。」


「うそうそ。アデルが一緒で嬉しいよ。」

「そうか。じゃあ部屋を探しに行くか?」


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