第5話 食事と睡眠
「何これ〜、美味〜い!俺さー、和食みたいな梅干しとか?めざしとか?おじちゃんおばあちゃんが食べるご飯は苦手なんだよね。でもこの何ていうの?洋風?この味付けは好き〜」
「そうか。何を言っているのかよく分からんが、口に合ったようでよかったよ。」
「アデルありがとう。俺の好み知ってたの〜?凄いね〜
なんだっけ?お・も・て・な・しってやつ?嬉しい。」
なんだか分からないがほのぼのした空気が流れた。
レオンって本当に強いんだよな?もしや、これは俺を油断させて何かを企んでいるということなのか?
それならとんでもない人物だな。寝首を掻かれないよう気をつけなければ。
「ねーねー、歯ブラシと歯磨き粉買うの忘れちゃった。」
「何だそれは。」
「え?ちょっと待って、この世界って歯磨かない感じ?マウスウォッシュ的な何かがあるとか?」
「歯は磨くぞ。マウスウォッシュというのは何か知らんが。」
「でも歯ブラシないの?どうやって磨くの?」
「指に布を巻き付けて磨くんだ。ハーブが入った塩を使う奴もいる。
貴族は真珠を砕いたものを使うらしいが、庶民はそんなものは使わない。」
「指に布?マジ?すっごい斬新!そんな方法なんだ。
歯間ブラシは?あぁ、糸ってこと?それすごいね〜
でもちょっと不安。虫歯になりそうだし、口臭とか気になる〜」
「虫歯も口臭もハーブウォーターで口を濯げば大丈夫だろ。」
「あ〜なるほど、それがマウスウォッシュってことね。りょうか〜い。
へ〜案外歯ブラシなくても何とかなるんだ〜」
なんかよく分からんが、納得したようだ。
「この世界は電気無いんだねー
水道もないし、ガスもない。光熱費いらないなんてすごいね〜」
「全然何を言っているのか分からない。」
「そっか。どうやって寝るの?
まさかこの世界では寝ないとか?夜中までウェーイって感じ?」
「いや、寝るだろ。夜の番をして寝ないことはあるが、寝ずに生きていくことはできん。」
「そっか。そうだよねー」
勇者って俺より偉いんだよな?
立場、上だよな?
てことは俺がソファーで寝るべきか。
「レオンはベッドを使ってくれ。俺はソファーで寝るから。」
「なんで?ここってアデルの部屋でしょ?俺が居候だし、俺がソファーでいいよ。」
「そういうわけには・・・。」
「じゃあおやすみ〜」
レオンはそう言うとソファーに寝転んで寝始めた。
仕方ない。俺がベッドで寝るか。
勇者をソファーで寝かせて自分だけベッドで寝たことが知られたら大変なことになりそうだ。
早く部屋を見つけてレオンの部屋を作らなければ。
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