祉
「発達障害は平均寿命が短い。年金をもらえる年齢よりも先に死ぬ。」
そう考えてしまってからは、学生時代の年金追納をすることをやめた。
おかげで今は同年代と同じくらいの貯金額を手にすることができている。
とはいえそれは障害年金をもらえた事、共働きの両親がいた事、未だに実家に住んでいる事、結婚を諦めている事、そもそもドハマりする趣味がないからで、
収入という面では圧倒的に平均から逸脱している。
おそらく高校生のアルバイトといい勝負ができる程度だ。
障害を知った頃、認めたくなくて、手帳を隠して働いたことがある。
それも正社員で、しかもフルタイム、何度も何度もだ。
その頃は年齢も若かったし、それなりの高校を卒業していたし、
何より求人票で良い点が見つかれば見境なく履歴書を送っていたからだ。
この社会人経験で得たものと言ったら、私は障害者だと理解したこと。
そして障害が悪化し、症状が慢性的出て苦しむようになったことだ。
今はこうして空想、妄想、設定、他人が存在しない、自分だけの世界をありのままの駄文をただひたすらに書き、まるで創作活動をしている自分、クリエイター気取りで自分の精神を保つ人生を送るようになった。
「創作活動は福祉だ」と誰かが呟いているのを見かけたが、その通りだと思った。
何をしなければ不安定な精神が法の外へ行ってしまうのではないかと恐怖する。
いや、そもそも最低限度の法を理解する程度の知能があるからこそ不安定なのか。
いや、実はもう法を犯している可能性も否定できない。捕まっていないだけで。
そろそろ突き詰めるのはやめておこう。
具合が悪くなる。逃げだと言われようが知るか。
ああ福祉だこれは。福祉活動だ。それでいいのだ。
どうせ世間が言うまともな最後、死に方はしないのだから。
C18H14CLFN2O3 ごこちゃん @goc0_c
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。C18H14CLFN2O3の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます