「他人と比較してもしょうがない」と何度も何度も心に刻もうとしている。

否が応でも見えてしまう同年代の生活。

子供がいる。

結婚している。

恋人がいる。

部下がいる。

同僚がいる。

フルタイムで働いている。

言い合える友人がいる。

馬鹿にしてくる奴がいる。


今の僕には何もない。

ただ、生かされている。


障害を隠しながら、会社から要らないと言われるまで社員としてしがみついた。

おかげで手当てがもらえるようになったが、いつまでも続くわけでない。

そこで主治医から就労訓練を始めた。

色々な人と接して、なんとかコミュニケーションを取る事はできた。

簡単な入力作業、データチェック、時々は資料なんかも作って。

お金は貰えないが、社会に溶け込んでいる自分を疑似体験できる。


自ら刑務作業を申し出る人もこんな気持ちなのだろうか。


ほんの数年ではあるものの、正社員として働いていたおかげか、入った会社が自分にとって厳しかったのか、今でも分からない。

が、辞めた後体力が回復した後にムカついた感情が、今となっては冷静に判断できるようになった。

嫌な上司、先輩、同僚の顔や声がだんだんと消えてくれるようになった。

あいかわらず怒鳴り声には過敏に反応してしまうけれど、これはもう脳に刻まれた消えないキズみたいなものだから、一生付き合っていくしかないのだろうけど。

ともかく、前向きに考えられるようにはなった気がする。ほんの少しだけ。


今の僕には何もない。

ただ、生かされている。


そうかもしれない。

そうかもしれない、と思えるようになった自分を褒めなきゃな。


もう普通には戻れない。


分かっている。

分かっている、と思えるようになった自分も褒めなきゃな。


発作が起きてしまえば、死にたいと願うのは変わらない。

でもまだ、正常なとき、あるいは薬を飲んで落ち着いている時、

もう少しだけ頑張ってみよう。

そう思える時間が増えた気がします。

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