定
薬が効いてくるまで、安心感と焦燥感が襲ってくる。
やがてはまるで安心感が勝るように錯覚するわけだが、
それまでは焦燥感のせいで余計な事をしてしまう。
無駄な思いつきを調べてしまったり、
クリア済みのゲームをやってしまったり、
空腹でもないのに冷蔵庫を開けてしまったり、
訳の分からない文章を書いてしまったり。
さっさと布団に入って横になってしまえばいいのに、
電気を消すと謎の恐怖感が襲ってきてしまう。
蛍光灯は明るすぎるが、常夜灯では暗すぎる。
夜型はよくないと知りつつも、朝方になれない。
ふと、自分の年齢を数えてしまう。
もう同じ歳の成功者と比べる事はしなくなったが、
地元に残った学生時代の知り合いとすれ違う度、
顔を隠してしまう癖は未だに治らない。
白黒つけたいという性格は本当に邪魔だ。
何度も社会に出ていれば、どこもかしこも曖昧と分かるのに。
こうでありたい、こうでなきゃだめ、その一文にもならない考えが、
邪魔になる、ストレスになる、余計に余計に悪いように考えてしまう。
どうやって受け入れればいいんだろうか。
「俺はダメな人でーす!変人でーす!」
と言いふらせるくらいになればいいのだろうか。
いや、無理だ。
それができるなら、こんなにも悩まない、病まない。
どうでもいいか、酔ってきた。
安心感に。
ありがとう、お薬。
今日もありがとう。
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