明けない夜はない

第36話 散弾銃

――――――あの後、店の前で希咲を帰した。


「大丈夫?」

「もう少し飲んでくる。」



――――――――――――そしてまた泥酔。


(呼び出し中)


「どうしたの?」

「気持ちわり…頭いて……」

「飲んでんの?」

「そう。」

「で?あたしにどうしろと?」

「下の世話」

「フッ…バカね。相変わらず。」

「結月と別れっから。」

「それで?私になんの用?」

「下の世話しろ。」

「役違い。他所当たって。」

「お前の手。手だけでいい。貸せ。」

「高いわよ?」

「……じゃあ全身。爪も。腕もあそこも。」

「そんなに溜まってんの?」

「酔いすぎて立ちもしねぇ。あっちもこっちも。」

「あんたいくつ?歳誤魔化してない?」

「免許証見るか?」

「知ってる…。はぁ…。それで?あたしにどうして欲しいの?」

「大人の女が欲しい。可愛い可愛いだけじゃこっちが疲れる。だからと言って二十歳そこそこの女にこんなクソめんどくせーの背負わせたくない。」


「で?あたしにあんたを背負しょえと?」

「そう。」

「(チッ…)なめられたもんね。」

「答えは?」

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