裏口

第31話 愚犬

―――――――――雑貨屋『Lucky』


「……ただいま。」

「おかえり」


僕は事務所の椅子で作業する結月を後ろから抱きしめた。そして、結月の横に立ってマスクをずらしてキスした。


「…下いく?」結月から声をかけてきた。

「ぶん殴られちゃう感じ?」

「わくわくするでしょ?」

「うん。」


「覚悟して?」

「はい。」


僕は首輪にリードを付けられて地下の犬小屋へと連れていかれた。




――――――――――――。


「おすわり」

「はい…」

「飼い主寂しがらせてどうすんの。このバカ犬」

「ごめんなさい。」


「……寂しかったよ」


結月が僕に抱き着いた。


…胸が締め付けられた。


「ごめんな。」

「お願い。もうどこにも行かないで。怖かった。」

「本当にごめん。」

「許さない。」

「……。」

「だからあたしがいつか許せるようになるまでそばに居て。もう嫌。」


結月は僕を押し倒して求めてきた。

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