第29話 心おける人

―――春を間近に控えたある日、僕は自宅から真夜中に消えた。


何度も何度も結月から電話が入っていた。



前の晩、僕は結月の寝顔を見ながら涙が止まらなかった。不安定に底がないと初めて知った。


これ以上希咲や結月に迷惑をかけたくなくて、消える事にした。



――――――――――――ビデオボックス。

何本かDVDを見たが、つまらなくて、


僕は真凜に電話をかけた。


(通話 中)


「真凜…」

「どうしたの?」

「やらせてよ」

「なんかあった?」

「疲れちゃった」

「どんなことしたい?」

「……いい。ごめん」

「…して欲しい?」

「うん。」



――――――ホテル。

駅前で待ち合わせして、一緒に入った。

荷物を置くとすぐ、ベッドに押し倒された。


「どうしたの。」

「ガキ扱いすんな」

「新しいことしてみない?」


2人で布団の中に入って、

僕は真凜の胸に抱かれた。


「寝てもいいし、したいことあるならしてもいい。」

「きすしたい」


真凜は僕の顎を上げて優しく口付けた。


「…やっぱり。好きでしょ。」


そのまま舌を絡めて僕の頭を支えたまま、服の中に手をはわせた。


それだけで声が漏れて、頭がぼーっとしてきたか。


「私ね、あの時これがしたかったの」


真凜は僕の手を真凜の服の中へ導いた。


「怖がらないで。」


…そう。僕は怖かった。


直接真凜の肌に触れると、ドキドキした。


「キスしていい?」


僕は真凜の上の服を脱がせて何も無い状態にした。


「真凜…」


両手で体を撫でた。


「言葉にしてみて」

「ドキドキする…。」


僕は真凜を下にして隅々まで撫でてくちづけた。

真凜は僕の頭を撫でていた。


下まで舐めたくなって全て剥いだ。



「真凜…ゴムしたくない」

「…いいよ」


足も…背中も…布団の中で撫でた。


僕は途中で止めて真凜を抱き寄せた。


「手、見せて」


僕は真凜の手にキスした。

綺麗に伸びた指。清潔感のあるマニキュア。磨かれた爪…。


僕は口付けて、真凜の目を見て舌を這わせた。

片手で真凜のそこを確認すると、粘液で溢れていた。


「指舐めてるだけだぞ。」

「こんな事されたの初めてだから。」

「この手好き。今までならこの手で誰かに触れてるから『汚い』って思ってた。けど、真凜なら。」


真凜を抱き寄せると、僕の喉に口付けた。


「このままでもいい?したいけど、始めたら終わっちゃう…」

「終わったらもっと幸せかもしれないよ?」


真凜はそう言って僕のそこに触れないで下腹部輪を撫でた。


「もうちょっと下。」

「なに?」

「触ってよ」


僕が真凜の胸の先端に手の甲で触れながら囁くと、身体を震わせた。


「下からきもちいい?」

「結構してるの?」

「2桁くらいかな。陰キャだけど、欲だけは凄いから。」


「あんたにハマっちゃいそう。」

「入れるよ」


僕は何も付けずに真凜に…。


「動いてよ」

「やだ。」

「なんで?」

「お前が疼き出すまで」


暫くすると、真凜が腰を動かし始めた。


「来て…」

「なんで?」

「お願い…」

「どこ欲しい?」


ゆっくり動いて、奥を刺激した。


「ここがいい?」

「そこ…」


「真凜、爪たてて」


僕は真凜に手を当てさせた引き付けさせた。


「あぁ…すっごい奥入ってる。」

「お前が引き付けてんの。」


僕が動き始めると僕のしりに爪を立ててしっかり引き寄せてきた。


「いい子だ…。欲しければそうすればいい」


そのうちに2人で果てた。



――――――――――――。


「涼太、これ、結月ちゃんにも教えたの?」

「うん。希咲にも」


「そりゃ離れないわけだ。」

「そういうもんか?」


真凜の下腹部を撫でながら聞いた。


「女はね、ここに記憶するの。」

「お前は?」

「今まで誰1人いなかったよ。こんなこと教えてくれた人。」

「…なんだろ。狂わせたいんだよね、」

「…あなたの手、ずるいよね。」


真凜が僕にキスした。


「足りねーか?」

「あなたに触れられると思い出しちゃう。」

「欲しければどうしたらいいと思う?」


真凜は布団に潜って僕のを口に含んで喉の奥まで入れた。


「なんで知ってんの…」


僕はこれが好き。


「ダメ…出ちゃう…」


「じゃあ入れて」


僕はもう一度、真凜の最奥へ…。


「真凜、もう一個足していい?」

「何?」


「足絡めて、足事引き寄せて。あと…叩いて欲しい。」

「……凄い。」

「奥来るでしょ。……もう1回楽しもうよ。」



――――――真凜に爪を立てられて、叩かれて、

2人で狂いながらまた果てた。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る