第28話 結月なしじゃ
――――――結果的に結月は短大を辞めることになった。そして1月1日に籍を入れた。
式とかは特別しない事にした。
したい時にしようと決めたから。
今はとにかく、結月の残りの短大生活を満喫させてあげる事にした。
と言いつつ…僕は…。
―――――――――。
「涼くん、昼ご飯食べた?」 と希咲に聞かれても。
「食べてない。」と答えるだけ。
「買ってくる?」
「いい。」
「……。」
希咲が黙って僕を包み込むと、僕は希咲にしがみついた。
「我慢しなくていいって」
「我慢しないと…あいつ可愛そう。」
「一緒に待ってよ?そのうちくるから。」
「うん…」
「寂しいよね。」
「寂しい。」
「大丈夫。あたしいるから。一緒に待ってよ?やんなきゃいけないこともあるでしょ?やってればそのうち来るから。ね?」
「うん…」
僕はいつもいつも、希咲に助けられてた。
「ねぇ、希咲。」
「ん?」
「やっぱやめちゃうの?」
「…涼くんそんな可愛かった?」
「……やだよ。結月居ない時誰が一緒にいてくれんの。こんなの言えんの希咲だけだよ!」
「はいはい。そうだね。…辞めないよ。どこにも行かない。大丈夫。」
「ほんと?」
「ほんと。」
僕がまた希咲にくっつくと、希咲は頭を撫でてくれた。
「どっちが年上なんだか。」
「どっちでもいい」
「そうね。」
――――――――――――「おはよー。」
結月が来ると僕は普通を装う。
でも、「ごめんね。ちょっと遅くなった」と言われると、結月を陰に呼んで抱き寄せる。
「大丈夫。怪我したら困るから急がなくていい。」
「ありがとう。でも寂しかったんじゃない?」
僕が静かに頷くと、
「もう大丈夫。あたし来たから。ほら、仕事するよ。」
「はい。」
――――――その後、2月を迎える前に真凜は退職した。僕のコントロールが出来ないと言ってた。
いいんだ。2人が居てくれれば。他はいらない。
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