第16話 はい。採用。明日からでも。
―――――――――とあるラウンジ。
「真凜。」
「なに?」
「横きて。」
「うちそんなサービスやってない。」
「追加料金的な?」
「ったく。めんどくさい。」
カウンター越しの真凜は出てきて僕の横に座った。
「なに?めんどくさい。」
「……頼みがあんだけど。」
「何?改まって。言っとくけど付き合わないし、やらないからね。」
「ちげーよ。そうじゃない。助けてほしい」
「お金ならないよ。あるけどない。」
「……お金、俺があげるから四六時中俺見ててくれないかな。」
「……はぁ?どう意味?」
「今、頭何周回した?」
「3、4周?」
「あと2回。」
「……。」
「あんたの店で働けって?」
「おー。さすが。はい。
「来週からとかでもいいかな。」
「いつでもいいよ。」
「今週でここ辞めるんだよね。だからそれ以降なら。」
「ここほどあげれないけどいい?」
「蓄えはあるから。」
「もし、お願いできるなら本気でお願いしたい。深いわけは後日話す。」
「ありがとう。話くれて。あ、連絡先…。」
「LINEのID渡しとく。ここ、店だし。真凜からは不味くね?」
「お気遣いありがとう」
「無くすなよ。」
「あんたと違う。」
「洗濯する前、ポケット見ろよ。」
「あんたと違う。」
真凜は僕と同じ年。
知人に連れてこられたこの店で一番打ち解けられて気に入った人。いつの間にかなんでも話せるようになってた。
結月を大人にした感じの上品で綺麗な人。
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