第14話 不完全燃焼

―――喫煙所。


「……。」

「星、綺麗だね。」

「風邪引くぞ。帰れ。」

「本音は?」

「……ヤリたい。」

「別にいいけど。」


「結婚するならお前がいい。」

「え?」

「なんもない」


「なんでそう思うの?」

「汚ねーとこも綺麗きれーなとこもお前には見せれる。ベロベロに酔っ払ってもお前なら助けてくれそう。」


「私多分、結月以上に涼太が好き。」

「わかってる。でも、俺の中にあいつが居る限り他は無理だな。」

「それも分かってる。」

「男、作れよ。思う存分楽しい事すりゃいいじゃん。やりまくればいいじゃん。」


「本気で思ってんの?」



僕は頭の中で天秤にかけた。


やっぱり出した答えは…


「……だめだ。結月しか考えらんねーや。頭おかしくなってんな。早くアイツに会いたい。」



――――――「早く帰っておいでよ」

夜の闇の中から結月の声がして結月が現れた。


「結月、、、」

「涼ちゃん帰ろ。」


結月が笑顔でそう言った。


―――――――――。


その晩、僕は思い切り結月を抱いた。

首に手をかけて、目一杯愛した。


……こんなにも結月が好きなのに…不完全燃焼…。



――――――――――――。


真夜中、ある人に電話をかけた。


(通話中)


「こんな時間にすみません」

「どうされました?」

「……一度でいいです。僕を使ってください。」

「…今から来れる?」


女は鎌をかけてきた。


「行けます。」

「来てちょうだい」


―――――――――。


その人の家に着くと、裏口から入るように言われて従うと、そのまま寝室に通された。


そこには見たことの無い大きなベットがあって、

僕はそこに押し倒された。


「いらっしゃい。待ってたわ。」

「はい…」

「あの子じゃ物足りないんでしょ」

「……」

「図星ね」


「あっ…」

「勿体ない。こんなに可愛いのに。」


服の中に手を入れられただけで声が漏れた。


「間宮さん……」

「若さが全てじゃないのよ」


「あぁっ!…」

「ここも好きなのね。」


普段結月とは優しいのしかしない。せめて首に手をかけるくらい。

刺激が欲しかった。


そんなことをしていると、寝室に誰かが入ってきた。



「店長……?」

「…瑠花。」


「瑠花。店長さんとしなさい。」


僕は何が起きてるか掴めなかった。

わけが分かって怖くなって直ぐに逃げるように家を出た。



翌日、希咲の家で昨晩のことを話した。


「なにやってんの。1番危ないとこでしょ。」

「だってさ…」

「だってじゃないよ。私じゃないんだよ?」


希咲が僕の顔を支えて真剣にそう言う。

僕はもう何かがおかしかった。


「…希咲。キスして…」


希咲は貪る様に僕に答えた。


「涼太。どう感じる?」

「キスだけで飛んじゃいそう…」

「そうね…ここもそう言ってる。」


不思議だった。僕は結月と二人よりも希咲と二人の方が安心できた。


「希咲」

「なに?」

「正常位の時、思い切り叩いて欲しい。背中に爪たてて欲しい…」

「そこビクビクさせながら言うの?」

「だって希咲ならわかってくれる」

「そうだね。」


希咲は僕の手を希咲のスカートの中へ導いた。


「希咲のここに食べられたい。」

「私も食べたい。」




――――――――――――。


希咲に包まれて安心しきっていた。

不思議だ。本当にこいつは暖かくて優しい。


結月も可愛い。けど、何が違うんだろ…。


それでも肌感と匂いは結月が好き。

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