第10話 補充要員

夏になる頃、パートさんが一人やめたので一人補充したくてまた女子高生を入れた。


間宮 瑠花。一年生。ふんわりした子。でも、どこか大人びていて、たまに電話で親と話してるのを聞くと、一線を置いたような話し方をしてる。



「間宮、隣来て」

「はい」


「今夏休みだけど、やっぱり髪染めたい?」

「バレちゃいました?」

「いや、今ならまだ許容範囲。本当にやりたいのどのくらい?いや、うちの姉さんたちいるでしょ?結月と希咲。結月は黒が好き。希咲は本当はもっと明るくしたいけど我慢してる。だから、要は希咲が限度かな。後は学校ルールね。いい?」


「わかりました。」


「あとは、みんなに聞きながらゆっくり覚えてけばいいから。」

「ありがとうございます。」





(なんだろ……めちゃくちゃ可愛い。)


僕と間宮の距離が縮まるのはそんなに遅くはなかった。

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