第9話 心の中

「涼ちゃん。」

「……」

「ねぇ、涼ちゃん。」

「わり。ちょっと仕入れ行ってくる。」


ここ最近、結月との会話が減った。

実家まで送っては行くものの話さなくなってた。

キスもしない。手も繋がない。


一週間続くとさすがに結月が聞いてきた。


「ねぇ、あたしなんかした?」

「してない」

「じゃあなんで口聞いてくんないの?!」

「言いたくない」

「なんで?!あたしの事嫌いになっちゃった?!」


結月は本当に賢い。今思うとあの時完全に鎌をかけてきたと思う。そして僕はそれにまんまとかられた。


「勘違いすんなよ!!嫌いになるわけないだろ!!」

「じゃあなんで?」


僕は耐えきれなくて結月にキスした。


今までできなかった、希咲以上の本気のキス……。

車の中から出て早くベッドの上に連れていきたかった。


「……ホテル行くぞ。」



――――――――――――。


部屋に入ると同時に結月を抱き寄せた。


「……ごめんな。悲しい思いさせて。」

「教えて?なんで?」

「……寂しかった。不安だった。結月が誰かに盗られんじゃないかって…でもカッコ悪くて言えなくて…だから、結月が嫌いなんじゃない…。いつだって抱きしめてたいし、いつだって触れてたい。離したくない…。」


「やっぱり。そうだと思った。」


僕は寂しさを埋めるように思いのままに結月を抱いた。


優しく…激しく…。



―――――――――――――――。


「涼ちゃん」

「ん?」

「あたし、短大やめてもいいよ」

「ダメ。ちゃんといけ。幼稚園の先生なるんでしょ?」


果てたあと、生まれたままの姿で結月を包み込んでた。


「でも涼ちゃん寂しいでしょ?変な勘違いするし。…でも逆ならそうか。」


「ゆづ。」

「ん?」

「お前のためなら死んでもいい。死ぬほどお前が好き。ずっとずっとやってたい。。……離れたくないよ……」


「涼ちゃん…。」

「聞かなかったことにして」

「ねぇ、もしかしてだけど、色々我慢してる?」


「……頭おかしいだけだから。特にお前に対して」

「どんな風に?」


「いやらしい事いっぱいしてたい。そうしたらお前ずっと俺のものでしょ?」



―――――――「どんな事したいの?」

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