第5話 千ある世界で
クリスマスを終えた辺りから僕と結月はもっと深くなって行った。
繋がらないもののお互いの一番気持ちいいところに触れて果てさせ合ってた。
『しちゃいけない』
じゃなくて
『今しか出来ない』
と捉えていた。
一線を超えることは容易。
だからこそ今を『大切』にしたい。
かっこつけかもしれないけど、
結月の『卒業』を見届けてから思い切り繋がりたかった。
それまでに結月をもっともっと深いところで落として起きたかった。
周りに流されずに、形よりも優越感よりも、もっともっと大切なもの。
『ふれあい』は『2人だけのもの』
『ふれあい』は『2人だけの世界』
それを結月に教えたかった。
目に入れても痛くない程可愛いからこそ、
僕は……その時を大切にしたかった。
――――――――――――。
でもその壁を容易に超えてきたのが希咲。
僕の本質を見抜いていた。
加虐も被虐も持ち合わせた人間。
でもそれ以上にあいつの凄いところは、
僕が堕ちていると黙って隣に座ること。
ただそれだけで、僕は救われていた。
言葉はなかった。でもあいつがいてくれるだけでもう一歩危うい先に踏み込まずに済んだ。。
それを見せられるのは希咲。
本当におかしな世界だ。
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