第5話 仕事と推し
あっという間に数年が経った。
ついに三年生の担任になって、大変なのは覚悟してたけど、感染症が追い打ちをかけた。
ただでさえ忙しいのに、やることが多すぎる。休んだ先生のフォローに消毒、リモート授業だって初めてなのに、年配の先生たちは「若いからわかるでしょ」と頼ってくる。
本当なら、恋人が心の支えになってくれるはずだった。それなのに。
彼とはつい先日別れた。
職場の後輩と浮気していたのだ。
ビデオ通話した時にブランド物の赤いバッグが写りこんでいた。私との結婚資金を彼女に貢いでいたらしい。
けっこうな修羅場になって、心に傷を負った。
友達に愚痴りたくても皆家庭持ちで気を使わせてしまう。職場からは人が多い商業施設に行くことすら禁じられていて、買い物で憂さ晴らしもできない。
心の支えになったのは、推しとTwitteだった。
ライブ配信とDVD、SNSは毎日のように目を通した。
お気に入りはジアン君がセンターの曲。彼が吐息とともに「
何度も脳内再生しながら眠りにつき、起きて仕事に行く、その繰り返し。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます