第2話 小悪魔に振りまわされて

「えぇ~・・・?」

後ろ手に組んだ両腕を隠すように、妹子は意地の悪い眼差しを向けた。


「私、馬子おじ様とは何でもないよぉ・・・」

太子の気持ちを試すように鼻にかかった声を返す。


「それともぉ・・・」

近づいた妹子にドギマギする太子。


甘い香りに。

頭がクラクラしている。


瞬時に何人もの話を聞き分ける。

優秀な頭脳も。


目の前の。

小悪魔に。


翻弄されてしまう。


(あぁ・・・)

もう、降参だ。


そう。

太子は思ったのでした。

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