俺の妹子、こんなに可愛い訳がない

進藤 進

第1話 飛鳥ラブストーリー

「た~いしぃ・・・」

夕暮れの離宮の外れで、小さな手に両目を塞がれた。


「こ、こいつぅ・・・」

震える声は嫌がるどころか、嬉しそうに聞こえた。


「ふふっ・・・」

妹子は勝ち誇った笑みを浮かべながら背伸びをしている。


皇族にしか許されない髪結い用の油の香りを嗅ぎながら。

若さ溢れる甘酸っぱい息を男の首筋に吹きかけている。


突然、振り返った太子。

いや、その頃は「厩戸皇子」と名乗っていた。


まだ摂政になる前の。

若い頃の「聖徳太子」であった。


※※※※※※※※※※※※※※※


ここで。

小田和正の高い歌声を想像してください。(笑)


若い方には。

分からないでしょうねぇ。(笑)

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