第73話

 十二時の音楽が流れるころ。

 訃報が入った。

 ショップ・ミラクルアースの店員である宮田咲月が黒猫の死体を抱いて首を吊ったということだった。

 一枚の紙切れに一行だけメッセージが書かれていた。


「きっと、許さない」


 そのメッセージというのは、元々は忌魔と書かれていたと見られる、大きく割かれたお札の裏に殴り書かれていたという。

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