第7話とあるA型施設の代表
今から、9年前仕事を探しても探しても見つからないので(その時は、第5腰椎の手術をした直後)、A型施設の面接を受けても、腰から胸元までのコルセットを装着していた為に、
「あなたは、この作業所で、一体何の仕事が出来るのですか?」
と、面接官に言われて履歴書も読んでくれない事業所も多々あった。
統合失調症と身体の不自由。これが、セットになると、障がい者の最後の頼みのA型施設からも嫌われる。
それでも、面接を受け続けて、ある事業所が僕を雇ってくれた。
作業は、同じ色の紐を10本に束ねる仕事。
これなら、多少身体が不自由でも出来ると言われて、面接官の話しを聴いた。
「あなたは、統合失調症ではありません。私が思うに、知的障がい者です。薬も意味が無いので、精神科に通う必要はありませんよ」
と、いきなり言われた。
僕ははっきり言って、ここで働きたくなかった。
赤の他人に、会って早々に知的障がい者と呼ばれて怒らない人間はいないだろう。別に知的障がい者を見下している訳ではない。
医師資格も無いのに、精神科に行くな!と言う事と、勝手に障がい者枠を知的障がい者にしたからだ!
コイツ、名古屋で数事業所、県外にも施設を持っていた。
だから、僕は何でもいいのだ。
国の助成金目当ての、バカ代表だ。
入所してから、仕事を一生懸命、頑張った。
しかし、余りに理不尽な事を言われたり、春の集団面接会のエントリーは施設が担当すると言ったのに、面接会前にハローワークに確認すると、僕の名前は無いと言う。ハローワーク職員がこの代表に連絡したら、大喧嘩になったらしい。
こんな事が続き、精神的疲労と手術しても痛みが取れない(激痛がする)ので、ストレスが溜まり胃カメラをすると、胃潰瘍になっていた。
しばらく会社を休むとバカから電話があり、
「お前、事業所で良いウワサ聞かんぞ!出て来いよ!」
と、言われて1週間後に退所した。
それから、5ヶ月後。この、代表が新聞に載った。
「障がい者を喰い物にする、悪質事業所の運命」
なぞと、書かれていた。職員には3ヶ月前から給料の未払い、利用者の給料未払いで夜逃げして、秋田県で警察に捕まった。
NHKのクローズアップ現代でも取り上げられた。
あのバカ、僕に手を伸ばしたのは、ただ国からの助成金目当てだけだったのだ。
辞めて良かった。
代表の謝罪日は、怒号が飛び回ったらしい。その場にいたら、僕は発作を起こしたであろう。
最後の給料は6割だったらしい。
だから、A型施設は始めっから怪しんで働いている。
今の所は、善良な施設と判断している。
1年以上経つが、悪いウワサを聞かない。
でも、もしかしたらまたブラックを掴む可能性はあるが、転職活動をしている。
あんまり、この会社に頼っていると、同じ様な運命に遭う危険がある。
そこの判断は、極めて難しいが取り敢えず給料がもらえる内は、慎重にして働く事にする。
あの、バカはどこへ行ったのやら。
このバカこそ、統合失調症以上の判断力しか残っていなかったのである。
前略、クソ迷惑なあなた達へ 羽弦トリス @September-0919
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