第3話 試験とモチベーション

 資格試験の受験学校の帰りに人生初フーゾク体験で想定以上の満足感を覚え、また行きたい、いろいろな嬢に会いたいと思うようになった。そこで、模擬試験でよい成績をとればフーゾクに行けるというご褒美を自らに与えることとした。すると、勉強に一層身が入り、数か月に1回の割合でフーゾク店の門をくぐった。その甲斐あって、合格率4%の経営管理関係の国家試験に合格することができた。

 学校帰りに寄り道した印象的なフーゾク店を思い出してみたい。ひとつは、ピンサロという業態なのか、普通に店内にボックス席が多数あり、昼間なので客はわたしのみ。席にすわっていると、現れたのはスレンダーで切れ長の目に色気のある娘だった。個室ではないし、シャワーもない。そんなところで、嬢はわたしのズボンとパンツを脱がせた。そしておしぼりでふくふきすると、ためらいもなく、わたしの身体を口に含んだのである。シャワーなしで、好きでもない恋人でもないオトコのモノに口をつけるだけでも驚きなのだが、嬢は赤ちゃんのおしめを替えるようにわたしの両脚を持ち上げると、なんとコーモンまで舐めはじめたのである。気持ちがよいとか、快感とかそんなことより、恥ずかしさと嬢の攻撃でたじたじであった。しかも驚いたことには、商売としていやいや仕事をしている・・・という雰囲気ではなく、嬢は屈託ない笑顔でわたしに接しているのである。オトコが快感に苦しむ姿を眺めることに喜びを感じる生粋のヘンタイ娘なのであろう。


 場末のその街には、ストリップ劇場というものも存在していた。はたしで観るだけで面白いのか?半信半疑ながら、フィールドワークとしてその扉を開けた。映画の3本分くらいの料金であった。観るだけなのでちょっと高いと思いながらも、吸い寄せられてしまった。

 なかは小ぶりの映画館ほどの入場者で、いわゆる舞台のかぶりつきには初老のオジイどもが、真剣なまなざしで嬢を見つめていた。衣装をまとった嬢は踊りながら、衣装を脱ぎ捨てていき、最後はヒールだけとなった。そして、股を開くのである。若く美しい娘が小汚い取り囲むオジイたちに視姦されるという、ちょっとサディスティックな構図を感じた。嬢が入れ替わるごとに、オジイたちは舞台に菓子折りのような差し入れを手渡した。嬢は仕事終わりに菓子を食べるのであろうか?一通り演技がおわると、”撮影会”なるものが始まった。お札を手にしたオジイどもが列をなし、貸し出されたポラロイドカメラで嬢を撮影するのである。ポーズはオジイが指示していく。なかには、股を開いた嬢とオジイのツーショット写真を所望する者もあった。そんな写真どうするのか???と思いながら、人々のいろいろな嗜好を知った。


 笑顔で尻を舐めるヘンタイ嬢、大勢のまえで大股開きする踊り子、それを見つめるオジイたち・・・学校帰りのフーゾク巡りはまさに異文化へのフィールドワークの場であった。

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