第45話開戦前

私の予想を上回る程の各国の援軍が集まった。

私は素直に喜べ無かった、聖都を取り戻すのは聖都を守護する聖騎士団の仕事、相手がペドフィリアとはいえ他国を巻き込んで良いのかと。

「聖女様!お久しぶりです!」

聞き覚えのある声の方を向く、そこには白髪の美女が居た。

「リリーエ様!」

私は叫んだ、アニマールからも援軍が来ると聞いていたが、まさかリリーエ様がいらっしゃるとは思わなかった。

「本当はもっと早く来たかったのですが…」

リリーエ様は謝罪するが、そんなことは無いここは聖都にほど近い平地に作られた前線基地、聖都陥落の報から考えると速いぐらいです。

「頭を上げてください…ペドフィリア絡みとはいえリリーエ様自ら参陣とは心強いです…」

「聖女様にそう言ってただけるとは…」

ふとリリーエ様の後ろに待機している男達と目が合う。

「後ろの男性はどなたですか?」

「申し遅れました、私の部下達で聖女様のお力で心を取り戻した者たちです」

心を取り戻した?

そういえば精神を破壊された人々に掘り当て……治療を施しまたね。

「聖女アナ・ホールです…良かった完治なされたのですね…」

男達は私に感謝の言葉を告げると深々と頭を下げた。

「聖女様お尋ねしたい事があるのですが…」

男性の一人が発言する、気のせいか顔が赤いですね。

「何ですか?」

「その……正気を失ってる時に何か失礼な事をしませんでしたか?」

「失礼な事ですか?……顔をペロペロされましたが気にしてませんよ?」

場の空気が凍った、リリーエ様は一瞬考えたあと直ぐに頭を下げた。

「部下が!とんだ無礼をお赦し下さい!」

部下の方々も薄っすらと覚えているのか瞬時に頭を下げ謝罪をする。

「正気では無かったのです…仕方ありませんよ」

私が気にしないと言っても彼等は長いこと頭を下げ続けた。



リリーエの部下達は揃って『あの夢はそう言うことか……』と思っていた。

聖女アナの手により正気を取り戻して以来、おかしな夢を観るようになった。

見覚えないのない女性とベロチューをしながら、その女性に指で尻を掘られると言う破廉恥な夢だった。

聖女アナを見た時に思った、夢でペロペロしていた女性と顔が似ていると。

『もしかして!?俺がペロペロしてる間に尻に指を!聖女様が!?』

真相を問いただしたいが、「聖女様俺の尻に指いれました?」などと聞けるわけもなく……


「何を考えているのだ!!」

リリーエは部下の男達をを叱っていた、事もあろうにこの男は聖女にプロポーズしたのだ。

しかも、それを皮切りに次々部下達が聖女を口説き出したのだ!

「申し訳ありませんでした!」

「聖女様の美しさに我を忘れました!」

『あの聖女スケベ過ぎるんですよ…』

「聖女様が冗談と流してくれなかったら問題だったんだぞ!?」

「しかし…プロポーズを戦いの後にする戦死すると言うジンクスがありまして……」

「言うなら今しか無いと!」

『意識のある状態でペロペロしたかった…』

男達の言い訳にリリーエは切れた。

「そんな物本気にするな!物語の読みすぎだ!」














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