第42話幼女神
聖都はペドフィリア組織、ハダーカ・ランド・セールに占領されていた。
人々は怯え、特に子供が幼女の親達はいつペドフィリアの餌食になるのか震えていた。
ペドフィリアの首領シンは聖都中央の神殿で集会を開いていた。
「同士諸君、私は長年平和的手段で幼女と結婚出来る世界を実現しようとしていた!」
平和的手段ではあるが合法ではない、彼は賄賂をばら撒き徐々に性行為が出来る年齢を下げようとしていた。
ペドフィリアが性の対象とする十二歳以下を目差していたのだ。
「だが!聖女アナ・ホールの横槍により幼女と
お付き合いできる世の中には成らなかった!」
聖女アナの働きにより教会が動き、議会、国、様々な組織が彼等の夢を阻んだ。
「もはや話し合いは不可能!我等は力を示し!聖都を落とした!ここを足掛かりとし全ての国で我等ペドフィリアの迫害を辞めさせようではないか!」
彼の演説に歓声が沸き起こる。
「今より私は正常なる世を実現する決意として、幼女の神!幼女神を名乗ろう!」
ユリアンはその様子を眺めていた、聖都を落とす等と夢物語だと思っていたが実現してしまった。
『私は聖騎士と言うものを美化していだけなのか…』
聖騎士だったユリアンは複雑な思いを抱いていた。
戦いがつまらなかった、アンドレを切り刻んだ時よりも遥かに……
戦いが楽しい、詰まらないと言った感情は聖騎士時代には無かったものだ。
「浮かない顔ね?」
アンが話しかけてきた、右手には男性ホール用の拷問器具を持っていた。
「少し考え事をしていた…」
「ああ…聖騎士がヘタレ過ぎて戦いがつまらなかったの?」
「そんなとこだ…」
「そうでしょうね?ほんの少し遊んであげたら壊れる様な軟弱者ですものね?」
「そうだな…殺人鬼のピエール君」
絡んでくる彼女をかつての悪名で呼んだ。
「はぁ?ガチホモの聖騎士崩れが殺る気?」
「否定はしないが…拷問は感心しないな…」
「裏切り者の貴女がかつての仲間を気遣うの?」
「性癖では無いという話だ、暇なら模擬戦でもしないか……なんなら死合でも構わないが?」
私は剣に手を掛ける、近い内に聖都を奪還しようとする勢力と戦闘になるだろう。
『彼女の手の内を見ておくのも悪く無いな…』
一緒に組むことはないだろうがアン・ガールの戦闘スタイルを知っておくのは有用だと判断した。
彼女は殺人の対象が女から男に変わっただけの異常者だ、積極的に敵対はしないだろうが。
対策は考えて置いた方が良いだろう。
「喧嘩……よくない…」
私の背後から声がした。
そこには茶髪で可愛らしい少女が立っていた、目が虚ろで生気が感じられない。
危うげな雰囲気の少女……
「喧嘩なんかしてなよ!フェイクちゃん!」
アンは満面の笑みで少女に答えた。
彼女はフェイク・ガール、私と同じ三幼星の一人にして、聖女の下僕だった元男……
帝国の狂犬マキシマムの変わり果てた姿だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます