第39話異変

「ようやく分かってくれましたね……」

私は男のホールから指を引き抜きました、周囲には十数人の男達が倒れている。

私、アナ・ホールは洞窟の中に居た、そこは盗賊達のアジトだった。

私達は聖女として活動中盗賊に襲われましたが、レイナとアレクさんが返り討ちにしました。

女だけと侮ったのでしょう、襲ってきた盗賊は呆気なく私達に拘束されました。

最初は捕えた者を役人に引き渡して済ませようともしましたが……

軽い気持ちで盗賊のホールを掘り当てると仲間の居場所を喋りだしました。

私達の現在位置から近かったので、これも聖女の務めと思い三人で討伐に来たわけです。

奇襲は成功し制圧できたのですが、盗賊達は堀がいがありませんね。

多くの者が指二本、先程掘り当てた首領でさえ三本で分かってしまいました。

今、思えば拳を入れるまで耐えたマキシマムさんは逸材でしたね。

「アナ様!水をお持ちしました!」

メイドのアレクさんが桶に水を入れて持ってきてくれました、今日も完璧な女装です。

「ありがとう」

私は礼を言うと手を洗った、今回はより分からせる為に直で指を入れたので念入り洗う。

冷静に考えると分からせる必要はなかった、拘束したまま役人に渡せばよかったのだ。

『マキシマムさんが攫われたことで、気がたっていたのかもしれませんね……』

分からせは前立腺から脳にがつんと刺激を与えることができます。

改心する確率は上がりますが、それは司法の仕事で聖女の仕事ではない。

やはり仲間が居なくなり、心穏やかと言う訳にはいきませんね。

元々敵対関係であったレイナですら、彼の身を案じています。

『強制的に幼い少女に変えられ……ペドフィリアに囚われている……』

考えるまでもありませんね、ペドフィリアは幼女を性的に愛しています。

命は無事でしょうが貞操と精神が……


私達捕えた盗賊を馬車に乗せ役人に引き渡しに行きます。

「聖女様捨てないで!」

「隷属するからお側において下さい!」

「もう、悪い事しないから下僕にしてください!」

何やら犯罪者達が訳のわからない事をいってますね。

「元々拾ってませんよ」

私の言葉に絶望し涙を流す盗賊達、少し分からせ過ぎましたね。

暫く馬車を走らせると街が見えました。

聖都まで連行しようと思いましたが、この街の役人に盗賊を引き渡しましょう。

「この街の役人に盗賊を引渡しましょう、確か教会もあった筈です、急な来訪ですが泊めてもらえるか聞いてみましょう」

「わかりました、アナ様」

手綱を握るレイナに言う、マキシマムさんが居なくなってからはレイナが主に御者をしてくれています。

アレクさんも軍隊上がりなので出来ますが、レイナより女子力が高いので御者よりも、私の世話をする事が多いです、男子なのですが。

私の指示通りレイナは街の入口に馬車を停め、入口を護っていた兵士に事情を説明する。

暫くしてレイナが慌てて戻ってきました。

「どうしました?」

「信じられませんが……聖都が……ペドフィリアに占領されたとのことです…」













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