第33話婆ちゃんと結婚する!
私は落ち込んでいました、聖女に任命されて以来これ程気持ちが沈んだ事は無かった。
仲間のマキシマムさんが連れさらわれ、強制性転換!しかも幼女化!を見せられ……
『NTR画像見せられた気分と言うのは、こんな感じなんですかね……』
正直休みたいのですが、聖女の仕事はまってはくれません。
聖女がメンタルやられて寝込むとかね?
信者の方のメンタルを考えると公表出来ませんよ…
私、個人としてはもてないのですが、何故か?聖女としては人気なんですよね……
今日はアレクさんと三人でテロにあった村の救援に来ました。
毒を井戸に入れられたようで、急遽近くの街にいた私に応援の要請があったのです。
私は気持ちを切り替え看護にあたる、解毒魔法を一人一人にかけていく。
すると皆聖女様!聖女様と縋ってきます。
既に薬師などから応急処置を受けている筈ですが、聖女と言うのが心の支えなのでしょう。
私が少しばかり励ましの言葉を掛けるだけで、涙を流し感動しているようでした。
歴代聖女でも私は変わり者のはずなんですがね…
「解毒は終わりました、後は安静にしていれば回復するでしょう」
「ありがとうございます、こんな小さな村の為に…」
村長さんは深々と頭を下げる。
「村の大小など関係ありません、人の命にかかわることですから…」
当たり前の事を言ったのに村長さんは涙を浮かべます。それだけ今回のテロの被害が大きかったのでしょう。
私は用意された小屋で、アレクさんの淹れたお茶を飲んでいました。
「マキシマムさんのことを考えているですか?」
「えっ…すいません!仕事に集中します」
「責めている訳ではありませんよ、アレクさんは良くやってくれています」
元気無さそうなので声をかけたのですが、注意されたと思ったようですね。
「帝国軍時代からの仲間でしたので案じております…」
そうでした、アレクさんとマキシマムさんはローター帝国の屈強な兵士てした。
それが今や女装メイドと幼女になってしまうなんて……
そう言えはマキシマムさんと初めて会ったのは捕虜として捕まった時でしたね。
今思えば捕虜とは言え、聖女に自分の尿を飲まそうとするとはマキシマムさんはかなりの悪人でしたね。
アレクさんに初めて話した時はドン引きしてましたね、普通に軍法会議ものだと。
「こんなのいけない!」
「俺の事を愛していると言ってくれたのにか!?」
うん?真昼間から男女の縺れでしょうか?
女性の声も妙に若い気がします、仲裁に入りましょう。
レイナはテロの調査で居ませんから、アレクさんに護衛をたのみましょう。
「アレクさん、様子を見に行きましょう」
「はい!」
アレクさんは護身用の剣を持ちます。
「急所は外して下さいね」
アレクさんは頷きますが、もと軍人なので手加減が足りないときがあるんですよね。
「やめて!」
「俺の子を産んでくれお祖母ちゃん!!」
近くの民家から耳を疑う言葉が聴こえましたよ!
俺の子を産んでくれ!わかります。
でも、お祖母ちゃんが産めるわけ無いでしょ?
相手の男は正気を失ってる可能性がありますね、私達は民家に突入します。
「お婆さんに乱暴はやめ……幼女?」
中にはお婆さんではなく、若い男と半裸の幼女がいました。
「何だぁテメェ?」
若い男は私を睨んできました。
目は血走り正気を失ってるようです。
「この方は聖女様だ、狼藉を諌めに来た!」
アレクさんは抜刀し私の前に立つ、とても男にはみえませんね。
「俺はお祖母ちゃんと結婚するんだ!聖女何かにまけねぇ!」
「聖女…何かですって!」
激昂するアレクさん!
次の瞬間にはアレクさんの剣は男の右上腹部を貫いていた。
ねぇ?急所外してって言ったよね?
私の為に怒ってくれたのは嬉しいのだけど、治すの私なんですよ?
「肝臓に少々切れ目を入れました、ギリ急所ではありません…」
「ああ!!」
倒れた男に少女が近づき、私に赦しをこう。
「この者は私の孫なんです!聖女様に孫の非礼はお詫びしますのでお慈悲を!」
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