第32話オートマータ

ドール共和国で幼女の誘拐事件が発生していた。

当初は外部のペドフィリアの犯行かと思われたが、調べを続けるとある人形師の姿が浮かんだ。

兵士達は人形師を拘束するべく、彼の工房を囲む。

「人形師トーマス!幼女誘拐容疑で拘束させてもらう!」

「何のことだ?証拠はあるのか?」

トーマスと呼ばれた人形師は惚ける。

「貴方の出荷した箱から少女達が発見されました…抵抗しないでください…」

「……」

「貴方の功績を考えれば早く出れる筈です!罪を認めて下さい!」

「そうですよ!貴方が居なければ射乳機能は実現しなかった!!」 

人形師トーマスの功績!それは人形に射乳機能を実現させたこと!

射乳、それはおっばいから乳を発射させる夢の機能、全アガルマトフィリア男性が歓喜したと言っても過言ではない。

「これまでは乳袋から吸うことはできましたが、射乳は出来ませんでした!」

「そうですよ!人形師として名声を持っていたあなたが何でペドフィリアに……」

「満足出来なかったからだ…」

「満足…?」

兵士達が不思議な顔をする。

「お前達にはわからんよ…フラン!」

トーマスが叫ぶと奥から人影が現れた。

「御主人様お客様ですか?」

「美しい…」

「可憐だ…」

「これが人形なのか…」

兵士達は息を呑む。

現れたオートマータが美しかったからだ、金髪の短い髪に赤目の美少女型、十二歳位のデザインにみえる。

メイド服を着ていることから家事用か?

「自立歩行型オートマータだ!気を抜くな!」

トーマスは天才だった、そのトーマスが満を持して登場させた人形、恐らくこの状況をひっくり返す何かがある。

だが兵士を率いている隊長は直ぐに動かなかった。

上層部からトーマスを生かして捕らえよと厳命されていたのだ、天才であるトーマスが死ねば国取って大きな損失となるのだ。

技術の停滞、そして税収の減少彼は高額納税者なのだ。

『あのオートマータ…無傷で手に入れたい!そうすれば味見ができる!!』

味見とは性的にと言う意味だ。

トーマスの作品は性処理機能付きである、そのへんの玩具のホールとは訳が違う。

ユーザーによれば本物の女以上なのだという。

彼の人形は工業製品ではない、工芸品だ、恐らくあの人形はドール共和国の平均年収の何倍もする。

だからトーマスの作品を共同購入し、妻を共有することも珍しくない。

だが夫として入籍できるのは一人な為に、夫の座を巡り殺し合いにあることもあるのだ。

「フラン…ここは放棄する!スカートをたくし上げたあと撤退する!」

「畏まりました…」

フランがスカートに手を掛ける。

男達の思考が停止した『えっ、こんな美少女のパンツ見れんの?』冷静にかんがえると人形のパンツである。

だが、兵士の大半がアガルマトフィリアだった、つまり人間の美少女のパンツが見れるのと同じ状況なのだ!

「おお…」

美しい生脚に兵士達は歓喜の声を上げる。

「魔導砲発射!」

フランはスカートをたくし上げると、スカートの中が発光し、周囲に爆音が響いた!

魔導砲、それは込められた魔力により砲弾を放つ兵器である。

フランのパンツをガンミしようとしていた兵士達は全て吹き飛ばされ、砂埃と煙が消えたあとにはトーマス達の姿は無かった。



「これから…お前とお前の妹達で革命を起こす、幼女と結婚できる正常なる世界の為に!」

自分を抱きかかえる疾走する、フランにトーマスは宣言した。

トーマスはアガルマトフィリアとペドフィリアのハイブリッドだった。

自分がハイブリッドであることに気づいたのはとあるユーザーの依頼を達成したときだった。

オーダー内容は眼鏡の似合う爆乳金髪メイド、トーマスはユーザーの為にメイドオートマータを完成させたが喜びが薄かったのだ。

自分でも良くてきた作品であるはずなのに、何故か達成感が無かったのだ。

当初は仕事のしすぎと自分を誤魔化したが、自分の本性に気が付いてしまった。

自分はペドフィリアだったのだ、そしてアガルマトフィリアで禁忌とさせている性癖、生きた女性を人形の様に扱いたい異常者だったのだ。






 




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