第19話◯歳からの性行為が合法化!?

「ペドフィリア……」

「この国でペドフィリアが合法になる…そうなったら妹もどうなるか……」

「妹さんは今いくつです?」

「9歳だ……俺は妹には普通に生きて欲しい…だからこんな狂った国から逃げたいんだ!」 

「わかりました……帰るときは送りますのでもう少し休んで下さい」

ペドフィリアの合法化……

聖女として精神的に強くなったと思っていましたが、私もまだまだですね。


「アナ様ただいま戻りました」

体力の回復した彼を自宅まで送った、レイナが戻って来た。

「レイナ、明日のロフ・コルト議長との慰霊祭の打ち合わせですが覚悟して下さい」

「どういう事ですか?」

「性行為の最低年齢が撤廃されると聞きました、この先この国では幼女も娼婦になるでしょう、内政干渉と云われようと議長に意見します…」

「幼女が娼婦にそんな馬鹿な!?」

そうです、そんな馬鹿な事がこの国では合法になるのです、金の為に…

「レイナ……貴方は性被害者の最小年齢いくつだかしってますか?」

「十歳ぐらいですよね?」

私は首を振る、するとレイナは恐る恐る一桁なんでか…?」と聞いてくるこれが真っ人間の反応だろう。

「生後六ヶ月の赤子が強姦されました…赤子は致命傷を負い…そのまま天に召されました…」

「………」

レイナは愕然としている、聖騎士として戦場を経験している彼女ですらこれなのだ。

「極端な事を言えばゼロ歳児との性行為が合法化するのです」

「何故ですか?何故合法化の流れに?」

私は息をため息をつき彼女に語る。

「ペドフィリアの有力者から金を積まれたらしいです」

「ペド…フィリアとは?幼女が好きなのですか?」

「十三歳以外の少女を性愛の対象とする者たちをそう呼びます、そして娼婦の最低年齢は十五歳が限度です、てすが!この国だけで合法と成れば世界中のペドフィリア達は金を惜しまないでしょう!」

「子供達を生贄に莫大な財をなそうというのですね?」

「そうです、絶対阻止しなけばなりません!」

「私もこの様な暴挙許せません!」



私達は翌日慰霊祭の打ち合わせの為に議長との面会に望む、場所はプソー議員本部、プソーは議会制である、但し一定の税を収めた者のみ投票権を持つ、この国は金持ちほど優位になれるのだ。

議員本部の中は下手な王宮よりも立派だった、これも皆娼婦たちから吸い上げた税だと思うとやるせなくなる。

「おお、麗しの聖女アナ・ホール様!そして高潔なる聖騎士レイナ・エクスプレス殿!よくぞ参られた!議長のロフ・コルトです」

禿頭の議長は私達を大袈裟さに歓迎する、下心があるのだろう。

他には側近が二人、部屋の四方に武装した兵士がいる、此方が女子二人と言うのに物々しいですね。

「明日の慰霊祭は全力でやらせてもらいます」

「ありがとうございます、これが予定表です」

予定表を渡されたあとの打ち合わせのは順調だつた。

彼と出会う前だったら、観光でもして過ごしたでしょけど、使命ができましたからね。

「議長、お話があるのですが…」

「何でしょうか?」

「性行為の最低年齢撤廃は危険です、止めてくれませんか?」

「内政干渉ですぞ!」

「聖女様と言えどもきけませんな!」

側近の二人が文句を言ってくる。

「まあまあ……落ち着きなさい…」

議長が二人をなだめる。

「男娼の少年に同情したのですか?美談ですな聖女様があの様な者に救いの手を差し伸べるなど」

昨日の事が知れている?

レイナが私の事を聖女と呼んだので少年を助けたならわかる。

だが議長は少年を男娼と言いきった。

まさか、監視されてる?

「糞尿にまみれた少年を聖女様自ら清めた、人々が好きそうな話ですが?」

議長は私を睨みつけた。

「ですが?なんです?」

「聖女が男娼と淫らな行為をしたという、下卑た話の方が人々は面白がるでしょうな?」

この男、私を脅している!

私は少年の体を綺麗に洗い、治療しただけというのに淫らな行為をしたという、私の出方によっては偽情報をながすつもりだ。

「不敬だぞ!議長殿!」

レイナは剣に手をかけている。

ここは引くしか無いか……

「議長様、せめて最低年齢を十三歳にしてもらえないでしょうか?これは干渉ではなくお願いです…」

私は頭を下げその場を後にした。



「お兄ちゃんどうしたの?」

「うん?考え事してた…」

俺は自宅で考え事をしていた、昨日助けてくれた、アナと名乗る美しい人……

聞けば聖女だと言う、汚物である自分を助けてくれ、男娼だと知っても差別しなかった。

聖女など所詮教会が用意した、客寄せ程度の認識だったが完全に敗北した。

『あんな女性がいる何てな……』

多くの男と多くの女相手に仕事で交わったが……

聖女に発射させられた時、初めて幸福を感じた…

この気持ちはいったい何なのだろう?














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