第18話兄は妹の為に

「聖女様服が!」

「服など洗えば良いのです!彼を助けます!」

私は糞尿など意に変えさず男の子を抱え上げる、正直臭いが我慢する。

「私はアナ!妹さんもついてきて下さい!」

周囲がざわつく、聖女で有ることが知られたがやることは変わらない。

私は彼を宿の部屋に連れて行く、宿の主にチップを渡し風呂を使わせてもらう。

共用風呂を少しの間貸してもらう、少年の服を脱がし体を洗う。

少年の体は全身筋肉質でよく鍛えられていた、竿は皮装備であったが、使い込まれたイヤらしい色合いをしていた。

『可哀想にこの歳で竿も穴も売るなんて……』 

突然道の真ん中で漏らしたのは、腸内に残った精液のせい、なのでそれを掻き出す必要がある。

「あっ……」

私がホールに指を入れると少年は甘い声を上げた。

このホールはまるで、女の子のメインホールじゃない?

どれほどの男に掘られればこのように育つのか、全くわからない、アレクさん以上に出来上がってる穴だ。

『とにかく精液を掻き出さないと…』

私は彼を傷つけないように精液を掻き出す。

「……えっ…ここ何処?」

少年が意識を取り戻した。

「貴方は道の真ん中で、糞尿を漏らし気をうしないました」

「あ…あん…何でお尻に指を!?」

「下痢の原因の精液をかき出しているんです!」

「だ、だめ!出ちゃうー!うっ…発射はオプション……追加だから…」

少年はトコロテンして気を失う。

今の発言……やはりこの子は男娼をやってる。



彼の妹とレイナに彼の着替えを家まで取りに行って貰った。

妹さんによると兄の名はイオ、彼女はリリー、私は綺麗にした彼を着替えさせベットに寝かせる。


「リリーさんお兄さんの仕事は知っていますか?」

私の問に首をふる、知らないなら彼女の前で話さない方がいいですね。

「今日ね、纏まったお金が貰えたからお買い物に行こうってお兄ちゃんが言ってたんだ」

纏まったお金……禁止行為の生堀、中出しの対価でしょうね。

男同士だと子が出来ない、しかし性感染症のリスクにより避妊具の使用が推奨されている。

この国で避妊具無しの行為が認められるのは恋人と夫婦のみ、商売でそれをやれば厳しい罰則がある。

ここは風俗が国家事業なのだ、性感染症の発生はとてつもないデメリットになる。


「アナ様、彼が目を覚ましました」

「そうですか…彼と二人で話したいのでリリーさんとお茶でも飲んでいて下さい」

私はレイナにリリーさんを頼み、彼が寝てる部屋にいく。

「横になったままで良いですよ」

「聖女様が俺みたいな奴、助けて何か得があるの

か?」

「損得ではありません、他の方が手を差し伸べなかったからです」

私の答えに少年は驚いた様子でした、こんな歳で男娼などやって居ては大人の汚い所も多く見てる事でしょう。

「あんた善人なんだな……ありがとう…」

少年は照れ臭そうに言う。

「貴方は男娼ですね?」

「はっきり言うな……そうだよ」

「男娼を職業にするのはこの国では問題がありません」

「聖女様が売春肯定すんの?」

「内政干渉になりますし……体を売らねば食べれない方も居るのは知って居ます」

悲しことだが、私が体を売らずに生きれたのは運良く、裕福な親元に生まれたからだ。

そう、この世界は生き方をそれほど自由に選べない。

「ですが!お尻を売り過ぎです!このまま行けば最悪糞を垂れ流し!惨めに死にます!」

私は前世の経験から、彼の悲惨な未来が手に取るようにわかった。

「俺の竿のサイズでは堀師であんまり稼げないんだ」

堀師とは男の尻を掘る仕事をする人のことです。

前世の話ですが堀師はデカイ程人気でした。

男装や女装でとにかく時間内掘り続ける過酷な仕事です。

「しかし生堀りは違法行為、一度でも性病にかかれば仕事は激減します……なぜリスクをおかしたのです?」

「妹の為に……妹には娼婦になって欲しくない、真っ当な教育を受けさせたい!」

妹さんの教育費を稼ぐ為に……

しかし疑問が残ります、彼の穴の育ち具合は異常てした。

「ホールの管理も店の責任の筈ですが?まさかフリーで?」

売春は合法ですが、あくまで店売りの話しです、個人営業は禁止されてます。

脱税や性病の蔓延防止の為に許可を受けた、店でしか買うことは出来ない。

「闇営業だよ…店に来た客から外で会わないかとか、生でやらせてくれたらチップやるとか…とにかく金が直ぐいるんだよ」

「何をそんなに急いでいるんですか?学費が必要なのはもっと先だと思うのですが?」

「この国から早く逃げたいんだ…」

「逃げる?」

「性行為の最低年齢が撤廃されそうなんだ…そうなったら妹もどうなるか……」

「最低年齢の撤廃!?」

この世界は国にもよるが、基本十五歳未満との性行為は禁止されている。

十五歳からでも早いと思うのに、それを廃止しようというの?

「何故ですか?」

「議長が金に目が眩んで……ペドフィリアの有力者と手を結んだらしい……」

ペドフィリア、それは十三歳以外の少女を性愛の対象とする者たち………。











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