第15話悩み相談

その日、私は聖都の教会で祈りを捧げていました。

祈り終わって立ち去ろうとすると、懺悔室に入って行く人影を見かけました。

私は裏にまわり、教会関係者を探しましたが居ません。

懺悔室から呼び鈴が聞こえました。

私は懺悔室の椅子に座ります、上半身は曇ガラスにより視えないようになっています。

これにより身晴れを恐れず、懺悔することができるのです。

「私はこの教会の者ではありませんが、懺悔を聴く資格は持っております、それでも宜しいですか?」

「お願いします…」

声からして若い女性の様ですね。

「今日は夫の事できました…」

私は暫く待つが女性は黙ってしまった、あんまり急かすのも良くないが、聖女としての仕事もあるどうしようか?

「実は夫と獣姦していまして……」

「それは獣と三人プレイ……」

男と女と獣とのプレイと言う事なのでしょうか?

すると女性は被っていた帽子をとった。

「私はワーウルフでして……」

曇ガラス越しに頭に犬耳らしきものが視える、なるほど獣人ですか。

「旦那様は純人間ですが……重度のズーフィリアでして……」

純人間かあ、純男みたいな言い方ですね。

ちなみに前世でエッチした時の区別で、今日は女装男子、今日の相手は純男といいわけて居ました。

「獣人は人間と同じです、獣姦にはあたりませんが?」

「実は旦那様は私が獣化した時……それも完全な狼の時にしかキスもしてくれないのです!!」 

雲行きが怪しくなってきましたね。

「失礼ですが……重度のズーフィリアと分かって結婚したのでは?」

結婚の条件が狼の姿でのエッチならば懺悔ではなく、話し合いするべきでは?

「当時…私は人の姿になれない出来損ないで奴隷商で半額セールでした……もし半額でも売れなけば殺処分の所でした……」

なるほど獣人と言えども、人の姿に成れなければ商品価値がない。

「辛い思いをしましたね…」

「ええ、親にも見捨てられ殺処分と言う所で旦那様にお会いしたのです」

「性欲処理用の奴隷としてかわれたのですか?」

「旦那様はズーフィリアでしたので、プロポーズされました……結婚してくれるなら君を買うと……狼の私の毛並みに一目惚れしたと…」

普通の小説なら人の姿見てからプロポーズしない?

これがガチのズーフィリアかぁ… 

「狼の時は喋れませんが、言葉は理解出来たので死にたくない一心で頷きました…」

「それから抱かれたんですか?」

「お持ち帰りされて、体を洗って貰ったんですがその時から旦那様はギンギンでした……そしたら本当に狼のまま抱かれてしまって……あとから知ったんですが、獣人でも獣化してする人は殆ど居ない特殊性癖扱いで……」

「つまり……現在人の姿に成れるのに狼の時しか抱いてくれないと?それが不満なんです?」

「そうなんです……」

どうしようこれ?

何とかしてあげたいが、性癖の強要は良くないし、最悪の状況にならないよう助言してあげましょう。

「貴方が狼の姿で抱かれないと……最悪旦那さん死にますよ?」

「ええ!?」

私は狼狽える彼女に真実を伝える。

「人間は貴方が思っている以上に変態で、多様な性癖を持っているのですよ…」

「変態?」

「古来より動物は労働力であり、食料でありセフレでした……」

「セフレ!?古来より人間は動物と交わっていたのですか!?」

「そうです、夜な夜な馬を強姦した男とか、熊とエッチして昇天した男とか昔から居ました」

「人間基準では旦那様は普通なんですか?」

「いいえ特殊性癖です、妻の貴方とする分には問題ありませんが……最悪…野生動物と浮気しますね……」

「そんな……」

「野生動物との交わりはハイリスクです、病気になったり、返り討ちになり命を落とすことも…」

前世でも居ましたね、象とエッチしようとして踏まれて死んだ方とか、馬の竿をお尻に入れて内蔵破裂で死んだ方とか……

「こう言っては何ですが、狼で抱かれるか、別れるかしか無いかと?」

「愛してるんです!」

愛してるなら黙って狼で抱かれなさいよ。

「普通にキスしたいんです、狼の時はペロペロしてくるのに!人の時はしてくれないんです!」

ああ、前世でもいたは愛犬とペロペロしてた人、そんな感じなんだ。


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