第12話ノーマルなんです!
私達は聖都エネマーグラスに立ち寄る。
「聖女に選ばれた時以来ですね」
私はここで聖女に任命された、もう半年以上前になりますね。
宿の部屋から街を見渡す、中央に神殿があるのが聖都の特徴で周りを囲む様に街が発達している。
レイナは聖騎士団の本部に報告に行っており、マキシマムさんとアレクさんは別の部屋にいる。
アレクさん表向きは女にだけど、男性ですからね部屋を別にしないといけません。
聖都は安全なので私は久しぶりに一人で散歩に行く事にした。
男性二人には今日一日休暇を出した、あの二人がついて来ると目立ちますからね。
目的もなく散歩していると商店街にアレクさんの姿を見かけた。
いつものメイド服を着ているのですぐ分かった、何か捜し物だろうか?
「アレクさん!」
私が声を掛けると彼は振り向いた、見返り美人過ぎますね。
「アナ様!」
「何か捜し物ですか?」
「薬屋さんを探してます」
「薬屋なら知ってます、案内しますよ」
私はアレクさんの手を引いて薬屋に案内した。
「アナ様ありがとうございます」
アレクさんは渡しに礼をいうと店の奥に消えて行った、買い物の邪魔になると悪いと思い立ち去ろうとすると声が聴こえた。
「いやいや、お姉さんの彼氏?旦那様?マジでそんなサイズなの?」
何の話をしているのでしょう?
私は好奇心を刺激され店の中に入った、するとアレクさんは避妊具のコーナーで女性店員に問い詰められていた。
彼は顔を真っ赤にしている、手には竿に被せるタイプの避妊具が握られていた。
前世で言うところのコンドウさんである、前世ではゴム性ではなく、シリコン性の物を愛用していた。
「それ魔物の腸を加工して作った物の中でも、滅多に売れないビッグサイズだよ?大丈夫?サイズ間違えてない?」
「えっ、あの……間違いないです…」
なるほどレイナとの行為の為に避妊具を買いに来たのですね。
困ったアレクさんの顔可愛いですね。
「すっごいね!こんな御立派様お姉さん迎え入れてるの!?」
言ってやりたい!その御立派様を持ってるのは目の前の女装男子だと言いたい!
私は衝動を必死に抑え、アレクさんを助ける事にする。
「店員さん、そのへんでやめてあげなさいよ、お姉さん顔真っ赤になってるわ」
「ああ…すみませんね、そんな見事な竿を持った男に会ったこと無くてね…」
もう会ってるよ、目の前の男何ですよ!
聖女で無ければスカート捲ってしまったかもしれません。
「とにかくお会計を……」
「ごめんなさいね、こんなデカブツの相手をするなんてお姉さんも大変でしょう潤滑剤おまけするね!」
良かれと思って追撃加えてますね、アレクさんうつ向いて絶句してる。
「参りました……軍隊時代に同期からからかわれていましたが……」
「自覚無かったんですか?」
「いえ、レイナも含めて女性から大きいと言われた事ないので……」
ああ、逆にデカすぎて弄れなかったと言う事でしょう。
私も業物とは思いましたが本人には告げて居ませんし、考えてみればアレクさんは前世の私と同じで男性経験の方が多いですね。
アレクさんは性被害者で、前世の私はただの変態でしたが……
私達が宿に戻るとマキシマムさんが真剣な顔をしてやってきました。
「何かありましたか?」
「それが聖騎士団から使い書簡を持ってが来まし
た」
私は書簡を受け取ると中身を確認する。
「聖騎士レイナが同性と姦通してると言う通報を受けた、事実確認の為に聖女アナ・ホール及びアレクサンドリア・マーキュリーは聖騎士団本部まで来られたし……?」
私は一瞬理解出来なかったが、ある可能性に気づく!
「何と言う……アレクさん!レイナが浮気ですよ!しかも女と!?」
私は激昂した、アレクさんと言う素晴らしい彼氏が居ながら浮気!しかも女としているとは!
「アナ様それは誤解です……おそらく相手は私です」
「アレクさんは男性じゃないですか?何を言ってるのです?」
「世間的にはアレクサンドリアは女と言う事になっています、そのための誤解でしょう……」
そうでした……
アレクさんは偽名だけではなく、女装をしているそのため私のせいで死んだと言う噂になっていた。
「さっそく行って誤解を解きましょ!」
私はアレクさん手を引いて聖騎士団本部に向かおうとする。
「アナ様!ちょっと私支度が!」
「そのままでいいですよ!男装したら誤解が解けないです!」
私は支度の事を男装と、この時勘違いしていました。
聖騎士団本部に着くと取り調べ室に連れて行かれた、そこにはアナの上司の団長と記録係がいた。
「アナ様とアレクサンドリアさんですね?団長のロウ・クルーガーです」
「ロウ様……今回の件は誤解なんです!」
「レイナの話によればアレクサンドリアは偽名であり、本名はアレックスと言う男性で、命を狙われる可能性がある為女装をしているとの事だったが?」
団長はアレクさんを観るが、完璧な女装を見分ける訳が無い。
「アレクさんスカート捲って!」
「ええ!?」
「股間を見せれば誤解は解けます!!」
私はアレクさんほスカートを捲り上げる。
「えっ」
次の瞬間時が止まりました。
パンツ履いてない?何で?
アレクさんの見事な竿を見て、団長と記録係の男は啞然としている。
アレクさんは涙目になって語りだした。
「だから準備が出来てないと……今日……色々と漏らしてしまって……うう……」
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