第5話傷だらけのホール

私は陛下の頼みでアレックスと言う方の説得をすることになった。

話によるとその方の情報が有れば戦局が有利になり、和平交渉の可能性ができるとのこと。

もしも王国が戦火を拡げるならば、逃走も考えなければいません、この国に未練はありませんよ、両親は他界し、恋人は寝取られましたのでね。

「聖女に選ばれたので二年の任期が終わるまで会えません、これを期に婚約しませんか?」

「すまない…他に好きな人が出来た……」

一歩遅かった、結婚及び婚約前は恋愛の自由が認められる、つまりNTRされても罪に問えない。

私が恋愛敗者になっただけの話、当時は辛かったですが今は吹っ切れています。

後日、私とレイナとマキシマムさんの三人は地下牢に併設された部屋に案内される。

古びた椅子と机、そして照明にはランプが使われている。

私は椅子に座り、二人は壁際に立つ。

やがて看守が手鎖を着けた男のを連れて来る、中肉中背の平凡そうな男だった。

「マキシマム!どうしてここに?」

あれ?マキシマムさんって結構有名?、マキシマムさんの顔を見た男が驚いている。

そう言えば王様も好戦的で有名だと言ってらした。

「私は聖女アナ様により目覚めたのだ!この尊いお方に全てを捧げると誓った!」

「聖女による洗脳か?……卑劣な事を!」

卑劣な事?洗脳?何やら誤解されてしまいましたね、卑わいな事しかしてませんよ。

「アレックスさん座って下さい」

看守が私の向かいの椅子に彼を座らせる。

「聖女様何かありましたらお呼び下さい」

そう言うと看守は頭を下げ退室する。

私はアレックスさんを観察する、彼は真っ直ぐ私を見据える。

「誤解されてるようですが…洗脳などしてませんよ…彼は分かって下さったのです」

「それで何のようなんだ?」

「戦争を終わらせたいので協力してくれませんか?」

「………」

彼は黙りを決め込む。

やはり尻から魔力を流して分からせるしかないですかね。

「アレックスさん…もしかして御尻が痛いのですか?」

彼の僅かな表情の変化を見逃さなかった、椅子のせいで尻を痛めたのでしょうか。

「痛くない…平気だ」

嘘ですね、とても痛そうです。

「御尻を見せて下さい」

彼は一瞬固まる、そうですよね女がそれも聖女が尻を見せろって意味解らないですよね。

「症状によっては回復呪文より、薬による治療の方が良い場合もあるのです、患部を見せて下さい!」

「こ、断わる!」

「恥ずかしがらず肛門見せて下さい!」

「駄目だ!!」

仕方ありませんね、私は立ち上がると彼の首を魔力を込めた手刀を入れる。

「がっ」

彼は気を失いテーブルに突っ伏した。

「聖女様、暴力は不味いですよ!」

レイナは真っ青な顔をする、誤解させてしまったようですね。

「暴れる負傷者に偶にやるんです、首への鎮静魔法注入による無力化、治療目的です暴力ではありませんよ」

私は事情を説明すると彼を椅子から下ろし、四つん這いにさせる。

ズボンとパンツを下ろす、なんということでしょう一目見て分かってしまいました。

「レイナも今後の為に見て下さい…」

「えっ」

私はレイナにホールを見る事を進める、彼女は一瞬躊躇うが、近くに寄って恐る恐る彼の物を見る。

「これは?」

「これはタテワレと言って経験者の証です、つまりアレックスさんは男性との性行為を繰り返していたのです」

彼のホールは縦に変形し、しかも僅かに隙間が開いている。

「男色家だったのですか?」

「私の予想では彼は強姦されてますね、その証拠にホールがズタズタです、無理やりいれられたのでしょう……可愛そうに…」

彼は重度の痔を発病していた、度重なる無理な竿入れが原因でしょう。

私は懐から軟膏を取り出すと指で彼のホールに塗る。

「随分ゆるいですね?まさか王国の側の人間が犯したのですか?」

「そんな事は無いと思いたいですが……」

レイナは顔を顰めるが、戦争では良く有ること、娼婦を買える上層部はまだいいが、そんな金を持たない兵士は時として弱い者で性欲を満たす。

女子供……そして捕虜………悲しいことです。

私は軟膏をつけ終わると彼の尻に丸い魔石を入れる。

「聖女様?今入れたのは?」

「私の魔力を込めた魔石です、私の祈りに反応して治癒の力を発動します、今日のところは帰りましょう、彼も傷が癒えれば話を聞いてくれるでしょう…」

今日は彼の御尻が癒えるよに祈りますか……




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