第4話普通に生きたい
私達は王都につくと入口の兵士に事情を説明した。
入口で待たされる、無理もない帝国軍に捕まった聖女が自力で脱出したのだ。
にわかには信じられないだろう、取り敢えずマキシマムさんの事は私の従者と言うことにしておいた。
元帝国軍なので取り調べは受けるでしょうけど、聖女の従者であればいきなり処刑はないはず。
レイナを助ける為とは言え、彼と彼のホールには負担をかけました。
「聖女様とレイナ殿は城にお入りください、従者の方は兵士の詰所で待つようにと」
「そうですか、マキシマムさん問題を起こさないで下さいね?」
「当然であります!アナ様!」
私の呼びかけに大声で答えるマキシマムさん、少し分からせすぎましたか……
兵士の警護の元徒歩で城に向かう、この王都道が狭いのだ、攻められた時の事を考えてのことなのだろうが歩きにくい。
馬車や馬などで行けるルートもあるが、今日は使えないと兵士の方が言っていた。
人々がこちらを見ていますね、とくにレイナの方をおそらく私を守れなかった事を悪く言ってるのでしょう。
ポンコツ聖騎士とか、くっ、殺さないでしたとか勝手な妄想をしているのでしょう。
彼女は私の為に最善を尽くしてくれました、私が一番わかっています。
城につくとすぐ謁見の間に通される。
私達は跪いて王様まつ。
「ご苦労だった二人共、楽にするが良い」
その言葉に私達は顔をあげ肩の力を抜く、楽にして良いと言ってもこの程度が普通なのです。
「ご心配をお掛けしました陛下」
「無事で何よりだ、レイナも護衛の任務大義である」
「御言葉ですが陛下、私は聖女様を護れませんでした」
「そなたは良くやった、失敗を次に活かすのだ」
「はっ」
陛下の言葉にレイナは感動しているようだ、私が励ます必要は無さそうですね。
「ところでアナよ、帝国の兵士マキシマムを仲間にしたと聞いたがどうやったのだ?」
「えっ?」
「マキシマムは帝国でも好戦的で有名な男……話して仲間になるようなものではない、何か特別な方法を使ったのではないか?」
私は焦る、「尻に手を突っ込んでわからせた」とか言える訳が無い。
しかし何も言わなければ、私が疑われるし、マキシマムさんもスパイ容疑で処刑になる。
落ち着け私、嘘をつかず、言葉を選んで説明するしか無い。
「実は彼の体に私の魔力を流す事により、仲間になるよう誘導しました…」
良し嘘は言ってない。
「どこから流しのだ?」
そこ必要?私は覚悟を決めた。
「人間の体は筒状、具体的には口から肛門まで消化器官がそのようになってます……」
陛下がそれで?と言う顔をする。
「口から流す事もできますが……手を噛まれる可能性があったので尻から流しました」
「す、すまぬがもう一度言ってくれぬか?」
「肛門に手を入れ、直腸に魔力をながしました」
終わった、聖女終了、聖女剥奪は当然として、不適切な行為をしたとして何らかの責任は取らされるのかもしれない。
大体前世の私は報いを受け死んだのに、なんで転生後もこんな目にあうのです。
癌で入院してオムツと尿道カテーテル付けられて、痛みで苦しんで、自分の愚かさを自覚して、人の為に生きようとは思いましたが、聖女になりたいとは言ってません。
「不適切な行為だと認識はしておりました……責任を取って聖女を辞任しま…」
「その必要はない!」
聖女辞任ですまそうとした私を陛下が止めた。
なんでとめるんです?次の聖女候補いるはずですが?
「一瞬耳を疑ったが……そなたが尻から魔力を流せば相手の心を変える事ができるのだな?」
雲行きが妖しくなってきました、まさか誰かわかせろ!と言うことではないですわね。
「実は帝国軍の捕虜を一人こちらの味方に着けたい」
「男の方ですよね?」
「そうだ、アレックス・マーキュリーと言って奴が持つ情報が重要なのだ」
どうして……転生後も男の御尻を掘らないといけないんです?
私は任期終了後、普通にラブアンドセックスして結婚したいんですが。
ちなみに私は非処女です、処女で無いと聖女になれないとかありません。
「治療ならともかく、それ以外で戦争に関わるのは教会が……」
「尻の件は秘密にしよう、そなたも男の尻に手を突っ込んだなどと噂が広まれば……言うまでもないな?」
私は絶望した陛下は脅迫してきたのだ、この話が広まれば婚期を逃す!!
そして、よってくるのは穴掘りして欲しいど変態の男達……
私はねぇ、人助けして、婚活して、妊活して、子育てして普通に幸せになりたいんですよ。
「わかりました……」
私は了承するしかありませんでした。
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