第3話悪夢

私は安堵した、突然の来訪にもかかわらず教会は私達を受け入れてくれた。

夕食まで用意して下さり嬉しかった、食べ終わると私とレイナは同室となった。

マキシマムさんも泊まる事は許されたが、男性と言うことで離れた部屋に案内された。

彼は私がわからせたので同室でも安全なのですけど、聖女と言う立場もありますので。

ふとレイナを見ると、何やら考え込んでる様子でした。

「何か悩みでもあるのですか?」

「その…聖女様はあのようなことをどうやって学んだのです……」

「あのような?」

「尻に指を入れるとか…」

なんと!レイナはホール弄りに興味を持ってしまったようですね。

「学んだものでもありません、閃いたのです」

ここは注意して答えないとレイナの穴が死にますね。

「レイナ…女性でも尻で気持ちよくなれます」

私の言葉にレイナの頬が紅くなる、呼吸も少し乱れてきたようだ。

「ですが……尻に抵抗がある男性も少なくありません…」

前世で腐女子先輩が彼氏に「御尻でしてみない?」と言ってドン引きされたって嘆いていた。

「やはり尻は諦めて、前のホールで楽しんだほうがいいかと…」

「前のホール…ですか…」 

「ええ、前後のホール同時と言うも良いものですがリスクが…」

「前後同時に!?それはいったい?」

興味津々に尋ねてきた、彼女の食付きが良いので私はうっかり答えてしまう。

「貴方を真ん中に男性二人に挟んでもらうのです、後はわかりますね?」

まあ、私が前世でやったのは掘られながら掘ったので、女性のそれとはすこしちがいますが。

「………」

レイナが固まっている?

はっ、現世の私は聖女でした!

聖騎士たるレイナに三人同時プレイなどと!

「レイナ……今の話は内密にお願いしますね」

「えっ、はい、もちろんです」

「それなら良いです、そろそろ寝ましょう」

私達はそれぞれのベットに入る、私は逃亡の疲れからか直ぐに眠りについた。




目の前に金髪碧眼の私そっくりの男が居た。

前世の私だ、プレイの時私は金髪の鬘と青いカラーコンタクトを着けていた。

「やだ…こんなの見たくない…」

前世の私は女装した男とプレイしていた。

自身の竿をバックから男のホールに入れる、やがて腰を振り始める。

強烈な快感が頭の中に流れてくる、気が狂いそうだった。

「えっ?」

私は目を疑う、新たな女装の男が現れ竿を私のホールにスリスリしている。

「やっめ……うっ」

男の竿が入った瞬間、私は意識を失った。



「聖女様大丈夫ですか?」

レイナの声で私は目を覚ました。

悪夢にうなされて居たようだ、私は呼吸を整える。

「ちょっと悪い夢を見ました、心配かけましたね」

昼間起きている時は平気だったのに、夢の中では過去の出来事が苦痛だった。

苦痛に感じるのが本来の自分のはず、かつての自分の記憶に影響を受けている?

私は恐ろしくなった、既に自分は狂ってしまったのかと。

「私は馬車の点検をします、聖女様は先にお食事を済ませて下さい」

レイナはそう告げると部屋から出ていく。

私はベットから起き上がるとシーツを確認する、漏らしては無いようだ。

良かった、前世の私はホールの遊び過ぎで液漏れを起こしたことがあった。

「やはり夢の出来事……考え過ぎでしたね」



朝食を食べ終わると、私達は王都を目指した。

私が帝国に攫われたのは知られている、なので国王陛下に無事であることを報告しなければなりません。

この場所のスピードなら明るい内に王都につくでしょう。

馬車に揺られながら私は考える。

聖女を辞するべきではないかと、この世界の聖女は任期制、これは聖女が激務であることと特定の組織への癒着を警戒してのことだ。

『私の任期はあと2年……だが精神に異常をきたしている…』

今は帝国との戦争中、戦傷者の治療、遺族の精神ケア、戦死者の供養、仕事が山積み……

前世の記憶が蘇り、精神汚染を起こしたと言って誰が信じる。

任期満了まで聖女で居るしか無い、それに戦争で沢山の人が私を必要としている。

『人々を見捨てる事などできまんせん…』

やり遂げるしか無い、そして予定通り任期満了後、故郷に戻り治療院を開いて静かに暮らして…

 

マキシマムさんはどうしよう……










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