第5話食料製造だ!

 貯蔵庫にたくさんのあった食料も数が少なくなり、植物が枯れて雑草が多く育つ花壇を目の前に瑠璃は悩んでいた。

 目が覚めたとき時計を見ると2月の15日と記載がありまだ、肌寒い気温である。

「今植えるとしたら夏野菜ね…」

 今手元にある種は、スイカ、トマト、茄子、南瓜、枝豆、人参、えごま、とありたまたまなのかこの時期に植えるものが多かった。

 瑠璃は栽培を一度もやって来たことがなく小さなプランターならまだしも花壇での地植えであり家にある蔵書を探したが帝王学などの難しい本しかなく、花壇の手入れを担当にしていた石塚の部屋に行ってもお祖父様についていったのもありもぬけの殻だった。

「とりあえず、雑草をどうにかしましょう。」

 用具室にあった新品の軍手の封をあけてつけると男性用ということもあって一回りおおいが文句をいわず錆びと持ち手の木が朽ちている年季がはいったスコップを片手に抜いていく。

「あーもうダメ腰がいたい」

 数分で瑠璃の体力はつき、中腰で深く根を張った雑草を抜いていた為腰に負担が溜まり体力のない瑠璃の耐久値が底をつき座り込む。

 腰をポンポンと叩いて花壇を見るとまだ1/3も終わってなく絶望が落ちてガックシと肩の力がおちる。

「瑠璃!なにやってるのー」

 排気ガスの匂いと同時に大きなエンジン音を立てて近づいてくる。

 瑠璃は顔に流れる汗を拭いつつ声の方に振り向くと大型のバイクに股がりエンジン音をならしつつ迫ってくる千里の姿があった。

 千里はスーパーへ行った件から運転にすっかり気に入りあちこちへ赴き乗り物を拾ってくる。

「瑠璃、このバイクかっこよくない?少し行ったホームセンターに止まってたの」

千里はバイクのエンジンを切り、おりて横に並んだ。

「千里、もう、乗り物はいいから畑作り手伝ってよ~」

 くたくたに疲れきった中頑張って絞り出して言った言葉をきいた千里はまずいと危機感を感じたのかバイクを小走で押して車庫へと持っていった。

 去って行った千里を目で見送り瑠璃は一度立ち上がり背筋を伸ばすと、雲ひとつない空を見て気合いをいれ直し作業を再開する。

 土は長年手入れがされておらず固まっており、その土にクモの巣状に根を力強く張っている。

 非力な瑠璃からしたら雑草一つ一つが大きなカブである。

 文句も垂れず非力ながら雑草を抜いてると歩きにくそうな足取りで近づく人気を感じる。

「瑠璃〜おまたせ」

長靴にオーバーオールに麦わら帽子で両手で手を降ってやってきた。

「瑠璃、いいでしょなんか農業やるぞって感じで」

「それは、どちらかと言うと牧場じゃない?」

「違うよ、農家さんだもん」

 わかった、わかったと千里をなだめつつスコップを渡すと、千里はザクザクと土を掘り返していった。

 雑草を抜きを終えると用具室から腐葉土と混合堆肥と書かれた肥料を千里に取ってきてもらい特に混合堆肥を運んでんもらった時に臭い臭いというので牛糞が入ってると知らせると袋を手から離しての表面を払っていた。

「昔、花壇に大穴開けてお父さんに怒られたな~チューリップの球根掘り返して」

「千里って小さなときからいたずらっ子だったんだね」

 二人は幼い頃の話に華を添えつつシャベルで肥料を加えた土を混ぜ混ぜを割るといびつではではあったが畝を均等な感覚で作った。

「ここまでできたけど、瑠璃苗ってどこにあるの?」

 千里は服の袖で顔に流れた汗を拭いつつ聞く。

「スーパーで取ってきた種を蒔くのよ」

瑠璃のの千里は少し硬直してボソボソと何かを独り言をはっしたが瑠璃には聞き取れず種類のまく配置を伝えると感覚を開けて中指の第二関節まで畝に指を指してその空間に種を入れ、土をかぶせた。

「では、水をまく登板を決めましょ。」

 土で汚れた手をバケツに溜まった水で向かいになって洗い落としながら明日以降のローテーションを決めた。

「結局じゃんけんになって私が負けるのよ。」

千里は勝ったグーの拳を天に掲げて「では、明日は瑠璃ね」と歓喜した。

 それから千里は文句を言う日はあったが約束を守りつつ、自給自足をスタートさせるのであった。

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慌しい世界にさようなら 碧山 @AOIKAKu

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